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六代目山口組「『神戸山口組』『絆會』にいる関係者を報告せよ」…再統一への “極秘通達”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.04.01 06:00 最終更新日:2021.04.01 06:00

六代目山口組「『神戸山口組』『絆會』にいる関係者を報告せよ」…再統一への “極秘通達”

六代目山口組・司忍組長は、離脱した若い組員に対して、組織に戻る扉を開いてきた。2021年7月に、組長就任17年めをむかえる

 

「かつては同じ組織でやってきた仲間同士。今は他団体とはいえ、あの “指令” に対しては、戸惑いがあるでしょう」

 

 そう語るのは、都内在住のある暴力団関係者だ。

 

 国内最大勢力を誇る「六代目山口組」が2015年8月に分裂し、神戸山口組が結成されてから5年あまりが経過した。この間、2017年には神戸山口組が再分裂して任侠団体山口組(現・絆會)が結成された。

 

 

 さらに2020年には、神戸山口組の中核団体だった山健組が分裂して大半が離脱、岡山の池田組も神戸山口組を脱退した。その結果、山口組は現在5派の分裂状態になっている。

 

 抗争事件も後を絶たない。2019年に、六代目山口組、神戸山口組双方で銃撃による抗争事件が相次ぎ、2020年1月には、ともに「特定抗争指定暴力団」に指定された。その後も2020年11月に兵庫県尼崎市で神戸山口組系組長ら2人が撃たれ、六代目山口組系組員が逮捕される事件が発生している。

 

 神戸側は、こうした抗争事件が続くなかで、組員の離脱や六代目側への移籍が相次ぎ、弱体化してきた。そこに追い打ちをかけるように、六代目山口組は、傘下組織に冒頭で語られている “極秘通達” を出したという。

 

「六代目山口組では、3月中旬に、地域ごとに傘下組織が集まるブロック会議が開かれました。そこで本部からの指令があったといいます。内容は、『分裂した神戸山口組や絆會、山健組、池田組の中で、兄弟分の組員や知り合いがいたら、名前と住所を提出せよ』というものでした。

 

 本部からの通達は絶対ですが、かつての仲間や兄弟分を売るようで、組員にとってはツラいはず。でも白紙で出すわけにもいきません。苦しい “ジレンマ” があるでしょう」(ヤクザ社会に詳しいジャーナリスト)

 

六代目山口組・高山若頭(「高」は正しくは “はしご高” )は2019年10月に出所後、山口組再統一に向けて辣腕を振るってきた

 

 いったい、この通達の目的は何なのか。ヤクザの取材を続けるノンフィクション作家の溝口敦氏は、こう解説する。

 

「こうした通達は、ヤクザ社会では過去にもありました。敵対する組員の自宅住所だけではなく、飲みに行く店や、日常的に出入りする場所を調べ上げ、抗争に備えるのです。

 

 今回は、2つの目的があると思われます。ひとつは、従来どおり武力行使の “ターゲット” として情報を収集するため。もうひとつは、その組員に対して、六代目側に戻る誘いをかけるためです。六代目側は、これまでも神戸山口組の井上邦雄組長(72)に対して、玉ねぎをむくように、周囲を切り崩してきましたから」

 

 別のヤクザ社会に詳しいジャーナリストは「冷静な一手だ」と評し、こう続ける。

 

「通達は、山口組再統一を望む司忍組長(79)の意を受け、陣頭指揮を執る高山清司若頭(73、「高」は正しくは “はしご高”・以下同)の動きが、最後の詰めの段階に入ったということです。

 

 一時期、『高山若頭には健康不安があるため、焦っている』という噂が流れましたが、それは嘘。派手な抗争は、もはや必要がなく、この指令で、神戸側を瓦解させようとしているのでしょう」

 

神戸山口組井上組長。六代目側の切り崩しで組員が減少し、組織の存続が危ぶまれている

 

 だが、前出の溝口氏は「このまま、すんなり再統一できるとは思わない」と言う。

 

「井上組長は、神戸山口組を解散させて自分が引退すると言っても、命の保証がない状態です。だから、たとえ一人になっても、解散するとは言えません」

 

 分裂問題の最終局面が近づいている。

 

(週刊FLASH 2021年4月13日号)

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