「2つの巨大な活断層が見つかりました。長さはそれぞれ300キロと160キロもあり、M8以上の大地震を引き起こす可能性があります」と語るのは、変動地形学が専門の東洋大学・渡辺満久教授。渡辺教授を含む研究グループは先月29日、日本地理学会で、房総半島南端から南東へ百数十キロの海底に未発見の巨大活断層が存在することを発表した。
「海上保安庁などのデータを基に作成した立体画像から巨大断層と判断しました。房総沖ではこれまで多数の断層が見つかっていますが、これだけ巨大なものはない。『断層の長さと地震規模は比例する』という説があり、長さ100キロを超えるとM8以上になりうる可能性があります」(渡辺教授)
もしこの巨大断層が動けば、首都圏への影響は避けられない。特に恐ろしいのは東京を襲う直下型地震だ。政府の中央防災会議は1855年の安政江戸地震(M6.9)とほぼ同じ「東京湾北部地震」を想定、死者は1万1000人と見ている(冬・夕刻に発生の場合)。
「残念ですが、死者1万1000人というのは、あまりに想定が甘い。というのは政府の想定は”火災旋風"の発生を見込んでいないからです」と警告を発するのは、濱嶌良吉・元埼玉大学、前橋工科大学教授だ。火災旋風とは文字どおり炎をともなうつむじ風で、関東大震災でも発生し、墨田区の公園に逃げ込んだ3万8000人もの人々の命を奪ったことでも知られる。この火災旋風に加え、濱嶌氏が指摘するのが地下に眠るガス田の存在だ。
「東京東部・千葉北部・神奈川北東部に広がる『南関東ガス田』は、国内のガス埋蔵量の9割を占める日本最大のガス田。主成分はメタンガスで無色・無臭。空気に5~15%混入しただけで火気に触れると爆発する可能性があります。この豊富なガスが地震を機に地下から噴出すれば、火災旋風と合わせ凄まじい被害を及ぼします。とても1万1000人の死者ではすまない。100万人という数字さえ覚悟する必要があるでしょう」
(週刊FLASH 2012年4月17日号)
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首都圏大地震で”巨大ガス田”炎上の危機「死者は100万人」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2012.04.04 00:00 最終更新日:2016.03.02 15:36