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【スクープ!】“都立の名門” 小石川中等教育学校で「調査書改ざん」、校長は処分を恐れて箝口令を
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.04.13 06:00 最終更新日:2021.04.13 06:00
教育分野に詳しい高島惇弁護士が、小石川中教の改ざんの違法性を指摘する。
「学校側が『監査が厳しくなるから』と、実際には取得した資格などを指導要録から削除すれば、虚偽公文書作成および行使として、刑事罰が成立する可能性もあります。
今回は本人の了承を得ずに、生徒にとって不利益になる改ざんをしたということですが、もし教育委員会などが訂正に応じない場合には、生徒側は法的措置も視野に入れる必要があると思います」
近年、調査書の内容を得点化する大学も増え、取得資格によっては試験の一部が免除されるケースもある。教育評論家の和田秀樹氏(60)も、調査書の “改悪” を問題視する。
「小石川中教は鳴り物入りで “公立の中高一貫校” に移行しました。『進学実績を伸ばさなければ』と、受験で有利になるように生徒の自己申告で、資格に関して指導要録にどんどん記載していたのでしょう。
しかし今回、自らの怠慢の発覚を恐れ、生徒に不利益を生じさせてでも保身に走ったとすれば、指示を出した校長たちは教員失格です」
だが、今回A氏が告発した「改ざん指示」をおこなった、当時の小石川中教校長・梅原章司氏は、2021年4月に都立日比谷高校の新校長に就任した。
「日比谷高校は、2020年度も東大合格者63名を記録。戦後、都立高校の “頂点” であり続ける学校です。その校長職は、他校の校長とは別格で、都立高校教員の “顔” といえる存在です」(都政担当記者)
4月7日、都立日比谷高校の入学式がおこなわれた日の朝に、梅原校長を直撃した。
ーー小石川中教で「改ざん」を指示しましたか?
「いえ……(沈黙)。教育委員会を通していただけますか」
東京都教育庁に小石川中教での改ざんについて尋ねたところ、以下の回答だった。
「指導要録については、学校で『根拠資料に照らし合わせて正しく記載してください』『根拠を確認できないものを指導要録に記載することはできません』と指示したことはありますが、『事を大きくしないために、生徒に資料提出を求めない』といった方針を立てたことはありません。
生徒には根拠資料の提出を求めており、(新たな)指導要録は、その内容に基づいて記載したものです。そのため、改ざんにあたることや、10期生が不利益を被ることはありません」(カッコ内は編集部で補った)
A氏は、本誌が受けた回答を見て、深くため息をついた。
「小石川中教内では、『根拠資料のないものはすべて消去しろ』と指示を受けたと話しています。このままでは2021年度に、浪人生が受験するときに、改ざんが続々と公になりますよ」
これは、生徒たちの一生を左右する大問題だ。正しい調査が待たれる。
(週刊FLASH 2021年4月27日号)