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東電「新役員」に送り込まれたのは「ユニクロ育ての親」

社会・政治 投稿日:2012.05.22 00:00FLASH編集部

 5月14日、東電は取締役会を開き新役員人事を発表した。社外取締役に内定した公認会計士の樫谷隆夫氏(63)は都庁での会見で、今後経営を厳しく監視していくと宣言した。「値上げは権利」と開き直った前社長に、真っ向から宣戦布告したわけだ。

 

 樫谷氏は、猪瀬直樹東京都副都知事(65)が「これで鬼に金棒」と太鼓判を押す男だ。猪瀬副知事と樫谷氏は約10年前の小泉政権下、道路公団民営化に関わったことで出会ったという。

 

「樫谷さんと2人で道路公団民営化のプランを作った。僕がピッチャーなら樫谷さんはキャッチャー。静かなアドバイザーといえるかな。鋭い目で数字を分析する能力を持っている人です」(猪瀬氏)

 

 樫谷氏の鋭い経営分析は、さまざまな場所で発揮されてきた。’08年、成田・羽田空港への外資参入の是非を問う政府の有識者研究会で、安易な外資規制に異論を唱えた。’10年には猪瀬副知事が座長を務める「東京の地下鉄を考える懇談会」に参加し、地下鉄一元化案を支えてきた。今回も猪瀬氏の奔走で東電の社外取締役になったという。

 

 20年以上前だが、こんなエピソードもあったと猪瀬氏が教えてくれた。まだユニクロが広島に数店舗しかなかった時代。柳井社長が地元地方銀行の支店に融資のお願いに行き担保がないと断られたときのことだった。

 

「柳井社長は樫谷氏の『熱湯「株式公開」』という本を読んで、東京にある樫谷さんの事務所を訪ねたんです。樫谷さんは帳簿を分析して『広島証券取引所に上場すればいい』と具体的なアドバイスをした。その結果、ユニクロは世界のユニクロになったわけです」

 

 会見で樫谷氏は「私も会計の専門家ですので、よくウオッチをして取り組んでいきたい」と述べた。東電の深い闇が、今度こそ解明されるか!

 

(週刊FLASH 2012年6月5日号)

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