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財産分与は7兆円…ビル・ゲイツを “尻に敷いてきた” 妻メリンダのパワフル人生

社会・政治 投稿日:2021.05.05 17:00FLASH編集部

財産分与は7兆円…ビル・ゲイツを “尻に敷いてきた” 妻メリンダのパワフル人生

写真:ロイター/アフロ

 

 ビル・ゲイツと、妻メリンダ・ゲイツの離婚発表は世界を騒がすニュースだった。

 

 2人は、世界最大の慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」をともに運営しており、アメリカからもフランスからも最高の栄誉である勲章を仲よく受賞している。共同購入によって世界の人々に公平にコロナワクチンを届けようとする「コバックス」ではリーダー的存在である。

 

 

 日本では、協議離婚であれば離婚届を提出すれば成立するが、アメリカでは必ず裁判手続きが必要となり、成立までに時間がかかる。

 

 現地に提出された申請書によると、申し立てをしたのはメリンダ夫人で、2人の関係は「修復不能なほどに崩壊した」とかなり強い表現が使われている。

 

 2人に婚前契約はなく、財産は折半するとの合意書が提出されている。ビル・ゲイツの総資産は14兆円とされ、財産が折半されれば、メリンダは世界有数の資産家になる。

 

 今回のケースは9月に審理され、来年4月に2人が出廷予定だという。

 

 メリンダは最近、『The Moment of Lift(いま、翔び立つとき)』という著書を出している。

 

 女性の社会進出をテーマにした本で、世界の女性たちが男性支配を振り切って自由な世界へ飛び上がっていけば、やがて世界をよい方向へ変えていくという内容だ。ロケットの打ち上げ「lift off」にちなんでいるのだが、このタイトルに、すでに自立への強い決意を感じさせる。

 

 それにしても、27年ものあいだ連れ添った伴侶から自立する決意を固めたメリンダの “強さ” は、どのようにして作り上げられたのか。

 

 保守的なテキサス州で、敬虔なカソリックの家庭に生まれ育ったメリンダ。母親は専業主婦、父親はアポロ計画にも携わったNASAのエンジニアで、ロケットは彼女にとって身近なものだった。

 

 父親の影響で早くから数学や科学に強い興味を抱き、高校の卒業式では生徒代表の演説をした。名門デューク大学へ進み、コンピュータ・サイエンスと経営学を学んだ後、MBAを取得する。

 

 1987年、マイクロソフト入社直後の社内イベントでビルと知り合う。偶然に隣り合わせ、盛り上がったときにビルから「これからダンスに行くんだけど、どう?」と誘われたが、「用事があるから」と断っている。ボーイフレンドには不自由していなかったようだ。

 

 その約1カ月後に駐車場で偶然会い、会話を交わしたところ、「2週間後に一緒に出かけない?」とビルが誘ってきた。「そんな先の話じゃ面白くないわ」と答えたら、その後、「今夜なら面白いでしょ」とビルが電話をしてきたという。

 

 2人は、1994年にハワイのラナイ島をほぼ貸し切り状態で結婚した。爆発的な人気となったWindows95が発売される前年のことである。

 

 夫妻には3人の子供がいるが、下の子が18歳とアメリカで成人扱いされる年齢になっているため、親権などの争いはない。

 

 ビルには長年付き合いのあるアンというガールフレンドがいる。年上のアンとは数年デートを重ね、破局後も彼女の別荘で定期的に会っている。当時、勘定は経営者でもあるアンが支払っていたそうで、ビルにとって相談役のような存在なのかもしれない。

 

 メリンダと結婚する直前、ビルはアンに電話して承認を得たと雑誌『タイム』に語っている。結婚後もアンの別荘での会合は続けられたという。

 

 著書の中でメリンダは、超有名人の妻であり、3人の子供を持つ専業主婦であることの葛藤について触れている。

 

 職場において男女は平等であるべきと主張するメリンダは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団でも対等を求めて戦った。

 

 財団の1年の活動を振り返る手紙には、常にビルがサインしていたのだが、共同議長であるメリンダが2013年に自分も手紙を書いてサインしたいと主張した。これにビルが反発し、2人とも離婚しかねないほどの争いになった。

 

 結局、その年はメリンダの活動が書き加えられたが、サインはビルのものだった。2014年には2人のサインになったが、内容はほぼビルのもの。2015年になって、ようやく2人のバランスがとれた形となった。

 

 メリンダは家庭でも男女平等を謳う。

 

 家族の夕食後、ビルはもちろんのこと、家族全員で皿を洗う。 メリンダの仕事が終わるまで、誰もキッチンを離れてはならない。最後まで責任を持って家事を手伝うのだ。

 

 長女の学校への送り迎えは週に2日、ビルが担当する約束をした。会社と学校は家から反対方向だが、キチンと送り迎えをこなすビルを見て、「ビル・ゲイツがやってるんだから、あなたもやりなさい」と言われた多くの父親たちが、子供のドライバーをするようになったという。

 

 夫妻は子供たちに資産を残さず、財団へ寄付する予定である。莫大な資産で子供たちが身動きできなくなるより、好きなときに好きなところへ行き、何もしない時間を持てる自由を与えたいというのが理由である。子供たちには普通の生活を送ってもらいたいのだ。

 

 ニューヨーク・タイムズによると、夫妻はここ数年関係が悪化しており、ビルは家族との時間を設けるため、昨年、マイクロソフトとバークシャー・ハサウェイの重役を引退している。

 

 2年前のネットフリックスのドキュメンタリーでは、「もし急に自分が死ぬことになったとして、できなかったけどやっていればよかったと思うことは?」と聞かれたビルは、即座に「メリンダに感謝する」と答えている。

 

 メリンダ個人は、女性を支援するベンチャー・キャピタル(投資信託会社Pivotal Ventures)を経営している。

 

 ビルに数学ゲームで勝利し、毎回お皿を洗わせていたメリンダは、『フォーブス』によると世界で5番目にパワフルな女性である。

 

 夫妻と仲のよいウォーレン・バフェット氏は、かつて「ビルがとんでもなく賢いのは明白だが、広い目で眺めたら、もっと賢いのはメリンダだ」と語っていた。

 

 メリンダ・フレンチ・ゲイツは、離婚後も変わらず、世界の教育や健康、格差をなくす慈善活動に精力的に動いてくれるに違いない。(取材・文/白戸京子)

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