5月5日、米・メリーランド司法省は、チャド・アリントン(33)に懲役2年6カ月を言い渡した。「チャド・フォーカス」としてラッパー活動していたアリントンは、自身のアーティスト活動に4億円もの巨費を費やした。しかし、その資金源は、会社名義の「クレジットカード」だった。
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大手出版社「アゴラ」の子会社でウェブマーケターとして仕事していたアリントンは、2015年1月から2018年8月にかけて、会社名義のクレカを不正使用し、自身のアーティスト活動に使いまくった。
SNSでは「いいね」や「フォロワー」を大量に購入。音楽配信サイトでは、自身の楽曲の再生回数をあげる水増し工作をおこなった。楽器や機材の購入に加え、国内外の移動費、さらに自身の名前がプリントされた帽子の作成など、ありとあらゆる場面でカードが使われた。
極めつけは、自身のビルボード(広告用掲示板)をタイムズスクエアに設置したことだ。
報道によると、アリントンのほかにも社内には複数の共犯者がおり、不正使用が上司や経理にバレないように、コンピューター上でカード会社の請求を書き換えていた。
結果的に、アリントンの活動費は4億円を上回った。連邦検事局の報告書では、会社側は損失を埋め合わせるため、従業員10名の給与を一部カットしたという。
アリントンは「地元のみんなや、若い人たちに申し訳ない」と反省しているが、今回の判決では不正使用した全額の返金も言い渡された。
フェイスブックには「どうやって返すんだろう」「本当に反省してるのか?」など、辛辣なコメントが並んだ。どうしても有名になりたかったアリントン。今回の逮捕が、いちばんの宣伝になってしまったようだ。