社会・政治
菅野美穂も驚く「タワーマンションカースト」さらに過酷に?
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.12.17 12:00 最終更新日:2016.12.17 12:00
菅野美穂と松嶋菜々子が主演した『砂の塔』(TBS系)が最終回を迎えた。タワーマンションの居住階によって生まれる格差やカーストを描いた作品で、同じ高層マンションに住む住人同士が「高層階のほうがお金持ち?」と妬みあい、ヒエラルキーが生まれるという。
マンションの高層階に住む住人にセレブが多いのは確かだが、本当の金持ちは、高層階を税金対策で買っていた。高層階は固定資産税が相対的に低くなっており、現金で相続税を払うよりマンションの高層階を購入して相続させたほうが節税効果が高いからだ。2015年1月に増税された相続税対策として非常に有効だ。
ただし、この節税方法にもストップがかかりそうだ。富裕層だけが使える節税対策は不公平感を生みやすいということで、政府に目をつけられた。今後、新築されるマンションに限り、新しい税制の導入が検討されている。
マンションの高層階の固定資産税を増税することで、納税者の不公平感は確実に減るだろう。
しかし一方で、高い購入価格を支払い、高い税金を払う人には権利も大きくしようという動きがある。国土交通省が改正をした「マンション管理の適正化に関する指針」と「マンション標準管理規約」だ。
これは住宅の価値によって、マンション内のルールを決める議決権の割合を変えるというもの。ザックリした計算だが、1億円の物件の居住者には1票、3億円の物件の居住者には3票の議決権が与えられると考えればわかりやすい。
もちろん、現状通り一戸につき1票というシンプルなルールでもOKだが、もし自分のマンションで適用されれば、富裕層の意見が通りやすくなるのは間違いない。ドラマの世界が現実となり、タワマンカーストの温床になりかねない。
税金負担の公平感も重要だが、毎日同じ場所で生活する「隣人」との人間関係が健全であることも大切だ。タワマンカースト問題は、一朝一夕には解決しそうにない。