社会・政治
日本最速で10代にワクチン接種、大都市も学ぶべき長野県北相木村の迅速対応
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.06.09 06:00 最終更新日:2021.06.09 06:00
「野球部の大会もあるので、早く打ちたいと思いました。ちょっと痛かったけど、これで安心です」と明るく話すのは、新型コロナワクチンを接種した、長野県北相木村に住む17歳の高校2年生だ。
人口700人余りの同村は、ワクチン接種の知見を共有するためのモデル実施地区(長野県で全23市町村)で、4月12日に県内で最初に接種を開始した。
【関連記事:アメリカの「反ワクチン業界」わずか12人で年間40億円の儲け】
村内唯一の診療所で550名が接種するが、打ち手は所長の医師一人が担う。
そんな状況でも、5月25日から64歳以下の接種が始まり、6月1日には、16歳と17歳の高校生2名が接種した。接種が順調に進む自治体では16歳以上への接種がすでに始まり、北相木村も最速で接種が始まった自治体のひとつだ。
村役場の担当者は、早めにアンケートを取って希望者の数を把握。3月には、役場で接種日を割り振って連絡したことが奏功したという。
「円滑な接種のためにはワクチンの供給と、医療従事者の確保が大前提。あとはワクチンを無駄にしないよう、キャンセルが出た場合は、別の日の接種予定者からその日に打てる人を探すなど、臨機応変に進めています」(同担当者)
村の保健師はこう話す。
「接種をおこなう先生は、ほとんどの村民のかかりつけ医。皆さんのふだんの健康状態を知っているので、問診に時間がかからないのは小さな村のメリット。人口が多い自治体は大変ですが、役所が接種日を指定すれば、予約が取れないなどの混乱は起きないと思います。
10代の接種に関しては、『もう少し様子を見たい』と、副反応を心配する親御さんはいますが、子供たちは『学校で友達と遊びたいから早く打ちたい』という子が多いですね」
6月3日には、「家族が接種するときに一緒に打ちたい」と、12歳の中学生が接種した。7月中には村の希望者全員が打ち終わる予定だという。 “ワクチン狂想曲” が続く大都市でも、北相木村の経験に学び、早急に接種を進めてほしい。
(週刊FLASH 2021年6月22日号)