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アメリカで50度超えの大熱波…ユタ州では「雨乞い」も始まる

社会・政治 投稿日:2021.06.29 15:35FLASH編集部

アメリカで50度超えの大熱波…ユタ州では「雨乞い」も始まる

アメリカを襲う熱波(写真:AFP/アフロ)

 

 6月27日の日曜日、カナダで初めて気温が45度を超えた。ブリティッシュコロンビア州西部の村リットンは2日連続で国の観測史上最高記録を更新し、月曜日には47.9度を記録した。

 

 環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんは、6月なのにカナダで最高気温が大幅に更新された事態を受けて、「ヒートウェーブはまだ始まったばかりだ」と警鐘を鳴らすツイートをしている。

 

 

 カナダだけでなく、アメリカ北西部でも歴史的な熱波が来ている。28日にポートランド空港で46.11度、シアトルの空港付近は42.22度まで上がり、ともに2日連続で観測史上、最も高い気温を更新した。

 

 ワシントン州では47.77度まで上がった所が2カ所あり、正式に認められれば州の史上最高記録になる。デスバレーでは50度を超えている。

 

 北米大陸の西部では多くの場所が週末から3日連続で35度以上となる前例のないヒートウェーブで、気象台は資料がなく予報しづらいと嘆くほどの事態である。

 

 この原因は何なのか、気象予報士の白戸京子さんに聞いた。

 

「ヒートドームと呼ばれる記録的に強い高気圧が、大陸の北西部に居座っています。高いところまで暖かい空気に覆われた上、よく晴れて、上空5500メートルまで登ってもまだ気温が氷点下にならない状態です。

 

 ヒートドームは、ゆっくりと内陸へ移っているので、暑さは徐々に解消されるでしょうが、積雪の残るところでは洪水の危険もあります。ふだんは暑さに慣れていない場所なので、熱中症が心配です」

 

 熱波の影響でオリンピックの代表選手を決める全米選手権が中断した。ほかにも、山火事が発生する、公共交通機関が止まる、学校が休校になる、停電が発生する、アスファルトの一部がめくり上がるなどの影響が出ている。

 

 現在、米国西部は記録的な干ばつだ。全米最大で7つの州に水を供給している貯水湖レイクミードの水量は史上最低となった。そうしたなか、6月上旬にはユタ州のスペンサー・コックス州知事が雨を願う3日間の祈祷を住民に訴えた。

 

「州知事は、住民に向けビデオを公表し、『長いシャワーを避け、蛇口の水漏れを修理し、植栽によって水を節約するよう依頼しているが、それだけでは十分ではない。もっと雨が必要で、神の介入が必要だ』と訴えました。ツイッターなどでは批判の声も出ていますが、大規模な火災、水不足、食料供給などの不安が深刻な証拠です」(白戸さん)

 

 平年を上回る暑さは東海岸でも予想され、ニューヨークやボストンなどがこれから蒸し暑くなる予想である。両都市はすでに月曜日の最高気温が36度を超え、過去の暑さのタイ記録となっている。

 

 各地ともエアコンを効かせて涼をとれるクーリングセンターや、水の飲める場所を提供するなど熱中症対策に力を入れている。

 

 北緯50度でも48度近くまで上がる時代。気温が上昇傾向の近年は、どこにいても暑さ対策はしっかりしなくてはならないようだ。

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