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竹中平蔵 “天敵” が嘆く「政商」への凋落「小泉時代はまだマシだった」

社会・政治 投稿日:2021.07.04 06:00FLASH編集部

竹中平蔵 “天敵” が嘆く「政商」への凋落「小泉時代はまだマシだった」

竹中氏と何度も論戦を交わしてきた大門実紀史議員

 

「お聞きしたいんだけれども、経済学者ですよね?」
「『経済学者ですよね』と聞かれましたので、あえて。大門先生は国会議員ですよね?」

 

 2001年11月、参議院予算委員会。リストラの正当性を問われ、「それが資本主義です」と開き直る竹中平蔵氏(70)に、大門実紀史参院議員(65)が噛みついた。竹中氏は顔色を変え、猛反論した――。

 

 

 当時の竹中氏は、慶大教授から小泉純一郎内閣の経済財政政策担当大臣に転身したばかり。一方の大門議員も、この年に初当選した新人だった。

 

 その後、50回以上も竹中氏と国会で論戦を交わしてきた大門議員。現在も、菅義偉首相(72)のブレーンとして大きな影響力を持つ “強敵” との戦いについて語った。

 

「竹中さんと論戦した回数は、国会議員のなかで私がいちばん多いでしょうね。もちろん、質問は事前に通告しますが、竹中さんは官僚が作成した答弁書を読まず、自分の言葉で答えようとするんです。少々ごまかしはありましたが(笑)、竹中さんとの論争は楽しかったですね。

 

 竹中さんは小泉首相の考える “規制緩和・改革” を広げていく、キーマン的な役割を担っていました。自民党の参院議員は、小泉首相や竹中さんから『抵抗勢力』と呼ばれて、批判の対象になっていましたよね。だから、私が質疑に立つと、自民党の席から応援されているような空気を感じましたね(笑)」

 

 企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになれば、賃金アップや雇用に回る。竹中氏は、そう主張しつづけてきた。

 

「竹中さんは、自身の主張が重用されたのは時代のおかげ、そして小泉さんのおかげだと思っているはずです。『小さな政府』を目指して規制緩和が日本で本格化するときに、小泉さんが竹中さんを登用した。小泉さんに対しては、『自分をここまで引き上げてくれた』という思いが強くなり、客観視できなくなっているように見えました。

 

 2000年代初めは、デフレで大変な時期でした。今は『トリクルダウン理論』と呼ばれていますが、当時は『ダム理論』といって、ダムの水が溢れてくるように、庶民にも恩恵がもたらされるというものでした。

 

 竹中さんはこの理論を、大学で教えるのではなく、現実にやってみたかったのだと思うんです。私の竹中さんの印象は、まるでビジネススクールの教授が国会にいるかのよう。 “象牙の塔” で成功するタイプではなかったんでしょうね。

 

■自分たちの政策のせいで「ダム理論」崩れる

 

「かつては、企業が儲けたら従業員の賃金に反映されるなどして、社会へ還元されてきました。しかし現在は、企業の利益を賃金アップや雇用の確保に回すパイプがなくなってしまっているんです。

 

 これは規制を緩和し、非正規雇用を増やす政策を、小泉さん、竹中さんらがおこなってきたことの結果です。たしかに、規制緩和で大企業は儲かったし、新しい企業も出てきました。しかし格差は拡大し、竹中さんが唱えたように、世の中全体がよくなることはなかったことは明白です。

 

 とはいえ、今にして思えば、 “小泉チルドレン” だったころの竹中さんはまだマシでした。中小企業に関しても、竹中さんが大臣だったときは、『重要だ』という主張をしていましたから」

 

 2006年、小泉氏が首相の任期を終えると、竹中氏は政界引退を表明。郵政民営化担当大臣を辞任する。

 

「竹中さんが議員を辞めて、3、4カ月たったころ、2人で食事をしたことがあるんです。竹中さんが議員会館の私の部屋に寄られて、『一緒に食事をしませんか』と。なかなか日程が合わなかったんですけど、赤坂の和食店で、竹中さんの故郷、和歌山の郷土料理クエ鍋をつつきました。

 

 竹中さんは『大門さんとの論争はおもしろかった』と言ってくれました。2人で当時の論戦を思い起こしながら、竹中さんは「自民党の改革派と共産党だけで、じゅうぶん国会で議論ができる」と言っていましたね。いい交流ができたと思います。そのときの竹中さんは大学に復職していて、ビジネスの世界に戻るとは話していなかったのですが……」

 

 2007年、竹中氏は人材派遣大手・パソナの特別顧問に就任(現在はパソナグループ取締役会長)。第二次安倍晋三内閣、菅内閣でブレーン的な役割を担っていく。

 

「かつての竹中さんは、学者出身の大臣として、私の質疑に正面から答えようという姿勢が見えました。その後、続けてパソナの経営者として、実業の世界で自分の理論を試したかったのなら、自力で挑んでほしかったです。

 

 しかし、政府と癒着し、利権で仕事を取ってきている今のパソナは、竹中さんが提唱した自由競争の実践とは程遠いと思うのです。コロナ禍での持続化給付金事業や、東京五輪での人材派遣などを請け負うパソナは、政府や自治体にとってはありがたい存在なのでしょう。

 

 ですが、パソナとして仕事を受けておいて、経営者が『五輪中止はおかしい』とぶつのは、利権のにおいをすごく感じます。生臭すぎますよね」

 

 大門議員は、竹中氏と直接論戦を交わすことはなくなったが、今も国会質問の際、竹中氏の名前を挙げる。今年5月には、坂本哲志特命担当大臣にこう嘆いた。

 

「竹中さんは大臣のときには、何度も議論しましたけど、(今のように)ここまでひどい人ではありませんでした」

 

 一方、6月24日に竹中氏は、自身のYouTubeチャンネルに、「日本共産党さん、頑張ってください」とエールを送る動画をアップした。

 

「論戦相手だったときの竹中さんは、立場は180度違っても、リスペクトできる人でした。今の彼は、『政商』に成り下がってしまいました。お互いに立場を離れたら、もう一度、話し合ってみたいとは思いますけどね」

 

だいもんみきし
1956年生まれ 京都府出身 神戸大学中退。東京土建一般労働組合の専従組合員を経て、2001年、参議院議員に当選。現在4期め。麻生太郎氏との論戦でも知られる

 

(週刊FLASH 2021年7月13日号)

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