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古着回収ボックスで女性が窒息死…実は事故多発の危険な構造
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.07 21:25 最終更新日:2022.12.07 18:22
オーストラリア西部に位置するのどかな街で、悲惨な事故が起きた。犠牲者はアラーラ・ローレンスさん(33)。遺体が見つかったのは、ショッピングセンターの駐車場に設置された古着専用の「回収ボックス」だ。
7月6日の早朝、近くを歩いていた地元住民が、回収ボックスから突き出た両脚を発見。上半身は、投入口にはまり込んでいたという。
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通報を受けた警察が、近くに設置されている監視カメラを調べたところ、6日の午前1時ごろ、ひとりで回収ボックスに向かうローレンスさんの姿が映っていた。
ローレンスさんは、バケツを踏み台にし、回収ボックスの中身を覗き込もうとした際、バランスを崩して投入口に上半身が挟まった。投入口はポストのようになっていたため、そのまま身動きがとれず、窒息死したとみられる。警察は「不慮の事故」と結論づけている。
日本ではあまり馴染みのない「回収ボックス」だが、海外では広く普及している。
慈善団体を中心に運営されている回収ボックスには、古着だけでなく、家庭で不要となった家具なども大量に寄付される。それらを低価格で販売するほか、災害時の避難所などに無償で提供される場合もある。
しかし、回収ボックスにまつわる事故は今回が初めてではない。実は、今年の4月にも、同国で投入口に上半身がはまった43歳の女性の遺体が発見されている。
また、2015年にはシドニー市内で男性の、2020年7月にはメルボルン市内で女性の遺体が、回収ボックスから発見されている。いずれも身寄りのないホームレスだったといい、身を置くスペースとして回収ボックスに入り込み、そのまま衰弱死したとみられる。
こうした事故を踏まえ、回収ボックスの構造や設置場所を再検討しようとの声も上がっている。善意が仇になった形で、家族や友人にとって、悔やんでも悔やみきれない事故となった。