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六本木クラブ襲撃事件 警察が追う「撲殺相手は人違い!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2012.09.13 07:00 最終更新日:2016.03.01 23:12
「今回の事件は’08年3月に新宿で起きた殺人事件が関係している。本当はこの”新宿事件”の首謀者とされるXを狙った襲撃だったと聞いています」(警察関係者)
9月2日未明3時40分ごろ、東京・六本木のクラブ「フラワー」で起きた集団襲撃殺人事件。目出し帽をかぶった約10人の男が鉄パイプのようなもので飲食店経営の藤本亮介さん(31)に襲いかかり、わずか数分間で撲殺した。
非常口からVIP席の藤本さんを直接狙っていることから、周到な計画性が囁かれているが、”人違い”で殺された説が浮かび上がっている。
‘08年3月の事件とは、東京・新宿区の路上で在日韓国人の男性(当時32)が目出し帽の5~6人の若い男たちに襲われて死亡した事件のことだ。
「殺された在日韓国人は『ごめんなさい』と命乞いをしたのに、目出し帽の男たちは『殺せ、殺せ』と鉄パイプなどで暴行しつづけ、死亡させました」(社会部記者)
このときXのほか11人が容疑者として警察に呼ばれたが、処分保留で釈放。
だが事件を知る関係者は、Xのグループの犯行だったことを疑っていないという。Xは、30代前半の元暴走族グループのリーダー。東京の”不良界”では有名な男で、以前は暴力団組織にも所属していたという。
「このXが最近数カ月、事件のあったクラブに出入りしていた、との情報が新宿事件の被害者関係者の耳に入り、襲ったのではないかと警察はみて捜査している。藤本さんが間違われた理由には、当時、藤本さんは足をひきずっていた。Xも足にケガをしたのか、足をひきずっているという情報があった。また両人とも日焼けしているところも共通していた」(前出・警察関係者)
他にも、事件があったビルの関係者によると「Xは今回、事件の直前までフラワーで藤本さんらと同席していた。藤本さんらと合流する前は、同じビル内にあった別の飲食店にも立ち寄っていた」という。
この話を裏づけるように「目撃者からは、犯人らは事件にあったクラブに向かう前に、別の飲食店にも立ち寄っていた、という証言があるのです。間違って行ったのではなく、本当のターゲットはXで、藤本さんは間違えられたのでは……」と別の社会部記者は語る。
だが一方で、警察庁の元暴力団担当捜査員は”藤本さんへの報復説”を唱える。六本木では昨年12月に、”半グレ集団”と呼ばれる20人ほどの不良集団が、山口組系の暴力団幹部4人をビール瓶などで乱打し、重症を負わせる事件が発生してる。
事件は依然未解決で「逃走した半グレ集団のなかに、この藤本さんの関係者がいたとすれば、今回の事件はその報復ではないかと一部で囁かれています」。この昨年の事件の報復説を後押しするように、今回、警察はある資料を持って、周辺に聞き込みをかけていた。
「(集団撲殺)事件後、警察は現場となったクラブのオーナーに何度か事情を聴きに来ているのですが、そのとき示した書類のなかに、昨年12月の事件の資料があったそうです。すでにある程度、犯人の目星もつけているようで、『警察は犯人の名前を押さえている。じつはこんな事件が起こることを予測していた』と話したそうです」(六本木の飲食店に詳しい関係者)
つまり警察は昨年末の事件に対する「報復行為」と、4年前の事件が伏線となった「人違い」の両面で捜査をしているのだ。はたして”人違い”なのか。すみやかな解決が望まれる。
(週刊FLASH 2012年9月25日号)