シャープは15日、激震のなか会社創立100周年を迎えた。液晶パネル、太陽電池、携帯電話の主力3事業の不振より、’12年3月期に過去最高の3760億円の最終赤字を計上。株価も8月15日に38年ぶりの最安値となる164円をつけた。今年度も通期で2500億円の最終赤字を見込んでいる。
また、台湾の鴻海精密工業との資本提携が難航し、今週20日までに銀行団に再建計画を提出しなければならない状況だ。そんななか、シャープの若手&中堅社員3人が集まり「断末魔のシャープ」の内情を語ってくれた。
「この間の会議で『給料が支払えなくなるかもしれない』という話が出ました。月の目標売り上げを達成しないと今後、銀行からお金を借りられなくなるからです。先日、展示会があったんですけど、社員とOBは1人10万円買うようにというノルマのお達しが出ました」(田中氏・仮名/40代・首都圏量販店営業)
シャープは‘01年に発売した液晶テレビ「アクオス」がブレイクし、売上高が2兆円を突破。’07年には売上高3兆円、株価も2445円を記録した。
だが、堺工場ができる前から落ち目になってきていたという。 30代の液晶部門営業・野村氏(仮名)は「給与はもともと業界のなかでも安いほうですが、今では残業代込みで手取り23万~24万円。年収は400万~500万円の間」と語る。
前出の田中氏は「かつては24歳~25歳で試験を受けて主事になって25万円くらい。ボーナスは年4カ月分といったところ」と明かすが、「ぼくなんか手取りで20万円以下。年収も400万円そこそこですよ」と言うのは、20代の海外部門の武藤氏(仮名)だ。
シャープはなぜダメになったのだろう? その元凶として3人が揃って挙げたのが、前社長の名前だ。
「こんなことになったのは、報道のとおり、片山前社長が堺工場を作っちゃったというのがいちばん大きいですね。結果論ですが、やっぱり工場は海外に作るべきだった。
ここにいる方も転職活動されているのかもしれませんが、すでに人材の流出は歯止めが効かない。私たち一般の社員より技術者が抜けてしまうことが大きい。このままでは余命1年なんていわれていますが、下手したら年内に潰れちゃうのかなとも思います」(野村氏)
(週刊FLASH 2012年9月25日号)