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「すき家」と「吉野家」で明暗…コロナ禍での営業利益決めた「立地条件」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.14 20:00 最終更新日:2021.07.14 20:00
コロナ禍で大打撃を受けている、外食産業。東京都で4度めの緊急事態宣言が発令され、各地でもまん延防止等重点措置が延長されるなど、事態はますます深刻化しそうだ。
本誌は、外食産業が受けたダメージを業態別、企業別に調査した。各業態のおもな上場企業を対象に、各社の決算から、売上高の前年比(伸び率)と営業利益を抜き出し、比較。
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ただし、決算月は企業で異なるため、たとえば7月決算と3月決算の企業では、コロナの影響を受けた期間が違うので、注意が必要だ。
今回、まとめたのは牛丼業界。じつは、「すき家」と、「松屋」「吉野家」で大きく勝ち負けが分かれたのだ。
◯「すき家」「なか卯」(ゼンショーHD)
売上伸び率マイナス5.6% 営業利益120億8800万円
/決算期2021年3月
◯「松屋」(松屋フーズHD)
売上伸び率マイナス11.4% 営業利益マイナス16億8300万円
/決算期2021年3月
◯「吉野家」(吉野家HD)
売上伸び率マイナス21.2% 営業利益マイナス53億3500万円
/決算期2021年2月
ゼンショーHDは「ココス」「はま寿司」など広いジャンルの外食店を運営するが、その中で好調を支えたのが、約2000店舗を抱える「すき家」だ。
同社の牛丼カテゴリー店の売り上げはマイナス1.6%にとどまり、コロナ禍では大健闘といえる。「松屋」「吉野家」との差は?
「立地の違いが大きいのでは。駅近が中心の『松屋』『吉野家』に比べると、『すき家』は住宅街など、駅から少し離れた店舗が多いです。通勤・通学する人が減り、駅前や繁華街の飲食店は軒並み苦戦していますが、郊外店は客足がそれほど鈍っていないのです」(調達コンサルタントの坂口孝則氏)
「すき家」はロードサイドにも積極的に出店し、ドライブスルーに対応する店が過半数を占めている。元からテイクアウトの需要を掴んでいることも強みだ。
(週刊FLASH 2021年7月27日・8月3日合併号)