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気象衛星ひまわりが実現した “当たる天気予報” 雨の予報精度は72%→83%に向上/7月14日の話

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.14 11:00 最終更新日:2021.07.14 11:00

気象衛星ひまわりが実現した “当たる天気予報” 雨の予報精度は72%→83%に向上/7月14日の話

「ひまわり」想像図と受信した地球の画像(写真・JAXA)

 

 1977年7月14日、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、日本初の静止気象衛星「ひまわり」の打ち上げに成功した。325kgもの重さを持つ気象衛星は、当時、日本のロケットではとても打ち上げられず、NASAに協力を求めたのだという。

 

 4日後、ひまわりは赤道上空に到達し、翌年から本格的な気象観測が始まった。雲の動きや海面の温度といったデータを観測・記録することで、天気予報の精度を日々上げている。

 

 

 気象予報士の白戸京子さんがこう語る。

 

「静止衛星は、秒速約3kmという猛スピードで地球を回っているのですが、地球の自転と同じ約24時間で一周することから、地球からは止まって見えるのです。いつも地球を見つめていることや、天気に関係するといった理由から『ひまわり』と呼ばれました。当初、ひまわりは正式名称ではなく愛称だったのですが、2015年から運用開始された8代目から、正式に『静止気象衛星ひまわり8号』と名づけられました。

 

 初代のひまわりは、1989年で運用を終えました。かつて白黒の画像しか作成できませんでしたが、技術の進歩により、8代目は世界で初めて鮮明なカラー画像を撮影できるようになりました。解像度も従来の2倍となり、リアルタイムで雲の様子が鮮明にわかるようになり、天気予報の精度も上がっています。

 

 観測頻度も、初期に比べるとずいぶん増えました。いまは日本付近の観測頻度は2分半おきになっており、急速に発達する積雲などを監視しています」

 

 日本の静止気象衛星といえばひまわりだと思われているが、一時期はひまわりでない時期もあった。

 

「1999年、6代目ひまわりとなる予定だった衛星が打ち上げに失敗し、その後、衛星を製造した会社が倒産。寿命ギリギリまで運用していた5代目ひまわりも運用が終了し、2003年からはアメリカの気象衛星ゴーズ9号による代替運用をしていました。2005年に、どうにか6代目が打ち上げられ、予定から5年遅れで観測が始まっています」

 

 気象庁によると、現在、降水の予報精度は年平均83%、最高気温の予報誤差は年平均1.7℃となっている。1950年には、降水の予報精度が約72%だったと考えると、精度は確実に上がっている。近年は天気予報でもAI技術を活用する動きが出てきており、いつか予報精度100%をたたき出す日も来るかもしれない。

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