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東京五輪で「魚が届かない!」コロナ禍の飲食店が怒る「迷惑オリンピックだ」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.22 10:20 最終更新日:2021.07.22 10:27
東京五輪に伴う交通規制により、さまざまな方面で影響が出ている。飲食店業界もそのひとつだ。
「先日は魚の配達が遅れて、ランチの営業に間に合わなくなり、開店時間を1時間、遅らせました。勘弁してほしいですよ」
そうぼやくのは、東京・中野で居酒屋を営む大島さん(仮名)。大規模な規制が始まったのは7月19日だが、その前から影響があったという。
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「うちは豊洲の市場から魚を運んでもらっているんですけど、あの一帯は以前から規制が始まっていて、すごい渋滞なんです」
選手村がある晴海周辺のエリアは、6月23日から段階的に規制され、7月13日からは、環状2号線の旧青果門(築地)から豊洲市場前までは、大会関係車両以外は通行できなくなっている。
「19日からは都心でも交通規制が始まり、さらに迂回が必要になって、配送業者も困ってますよ。ほかの出入り業者さんもみんな『困る、困る』の大合唱です」(同前)
大島さんが営む居酒屋は現在、営業時間を短縮して酒類の提供をストップ。そんな中で少しでも売り上げを確保しようと、昨年からランチ営業を始めている。
「コロナ前と比べると、売り上げは4分の1ほど。補助金とか協力金とか、もらえるものは全部もらって、どうにか首の皮一枚つながっている状況です。もともと居酒屋というのは、お酒で利益を出しているわけで、現状ではどう頑張っても利益はほとんど出ない。それでもなんとかしようとランチ営業をやっているのに、あの手この手で次々と迷惑がふりかかってくる。これじゃあんまりですよ」(同前)
交通規制は、一般の市民生活にも影響を及ぼしそうだ。日本郵便は、都内の郵便物の配達に半日から1日程度の遅れが見込まれると発表。ヤマト運輸も、競技会場周辺の地域や、交通規制の状況によってはそれ以外の地域でも、配達の遅れが生じる可能性があるとしている。これについて、小池知事の責任を問う声も出ている。
「もともとの計画では、環状2号線を整備し、臨海部と虎ノ門ヒルズをBRT(バス高速輸送システム)で結ぶことで、選手や関係者の移動をスムーズにおこない、交通への影響を最小限に抑えるはずでした。その計画を潰したのが小池都知事です。就任後、築地市場の移転を延期したことで、地下トンネルの工事ができず、環状2号線の完成が五輪に間に合わなくなりました。その結果、BRTの輸送力が大幅にダウンし、大規模な交通規制をおこなわざるを得なくなってしまったわけです」(交通系ライター)
ホストシティの首長の決断が、自ら足を引っ張ることになるとは。大会自体がシラケるのも無理はない。