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ルービックキューブ発明者、30年前の来日を回顧「動物園の人気者みたい」/7月25日の話
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.25 09:12 最終更新日:2021.07.25 09:13
1980年7月25日、日本ではじめてルービックキューブが発売された。
3×3×3のマス目をもつ立方体を回転させ、各面の色を揃えるパズルで、その斬新さと奥深さで、発売からすぐに世界中で大ブームとなった。日本でも、初年度から400万個を売り上げている。
発明したのはハンガリーの建築学者エルノー・ルービック氏。実は、ルービック氏は、1981年に帝国ホテルで開かれた「第1回全日本キュービスト大会」に来場したという。
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昨年発売された著書『キューブ―すべての人に捧げるパズル』で、ルービック氏は日本でのブームの様子を、次のように回想する。
《1981年、私は日本を訪れた。日本では、多くの人々が歓迎してくれた。何組もの親子がやってきて、握手を求めてきた。もしかすると「ルービックキューブを創った男」のパワーが、握手を通じて子供たちに宿ると考えていたのかもしれない。
私がベンチに腰をかけるたび、町中でもデパートでも長い列ができ、数え切れない人たちと握手や言葉を交わした。まるで、動物園の人気者のような気分だった》(編集部訳)。
誕生以来、全世界で累計4億5000万個も売れた。発祥の地・ハンガリーでは、ルービックキューブの存在感はひときわ大きい。
2002年、ハンガリー国立銀行は、ルービックキューブがデザインされた四角い記念硬貨を発行した。ルービック氏は、その記念硬貨をたくさん集め、いまも家に保管しているという。
前出の本で、ルービック氏は、ルービックキューブが人々を惹きつけてやまない理由をこう説明している。
《ルービックキューブが完成したら、満足感に酔いしれるだろう。それと同時に、どういうわけか、もう一度はじめからやり直したくなるはずだ。「偶然、色が揃っただけだろう」と考え、ルービックキューブというパズルそのものを、もっと理解し、追求したくなる。
最後のピースを当てはめたら終わってしまうジグソーパズルとは違うミステリアスさがそこにはある。ルービックキューブの “完成” は、新たな “始まり” を意味するのさ》
外出自粛が叫ばれるいま、久々にルービックキューブにハマってみるのもいいかもしれない。
写真・時事通信