社会・政治
トランプ砲に対抗「トヨタ」のロビー活動費は年間4.5億円
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.01.13 06:00 最終更新日:2017.01.13 14:11
アメリカ大統領への就任間近となったトランプ氏。「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏は、その意向に沿わない企業をTwitterなどSNSで「口撃」し始めている。
1月5日からアメリカのラスベガスで開催された世界最大のエレクトロニクス関連の展示会「CES 2017」には、日本からも多くのメーカーが参加していた。そのタイミングに合わせたかのように、トランプ氏はトヨタを攻撃。Twitterで「メキシコに工場を建設するならば多額の関税をかける」と表明したのだ。
この発言を受けて、日本中が大きな衝撃を受けた。
「ラスベガスでいろいろな企業の方と会いましたが、必ずその話題になりました」と話してくれたのは、「CES 2017」に参加していた日系メーカーの社員Aさん。ほかにも「気になるので、毎日トランプ氏のSNSをチェックするのが習慣になってしまった」と話す人もいた。
展示会全体が暗い雰囲気になりかけたが、それを打破したのが、ほかならぬトヨタ自動車の豊田章男社長の発言だった。10日早朝、デトロイトで開催された北米国際自動車ショーで登壇し、「今後5年間でアメリカに100億ドル(1.1兆円)の投資をする」と発表したほか、過去にも約220億ドルの対米投資をしてきたことを強調したのだ。
あまりの巨額投資のため、トランプの口撃前から決まっていた数字と思われるが、「すぐに数字を用意して、トップが対応するのはさすが」だとアメリカでも評判になったという。
トヨタといえば、2009年から2010年にかけて北米で大きな問題となった大規模リコールが記憶に新しい。このとき、豊田章男社長が公聴会に出席するなど、解決までかなりの時間がかかった。
アメリカでは、こうしたトラブルを未然に防いだり、鎮火させたりするときに「ロビー活動」が必須となる。要は公務員や国会議員に対する私的な政治活動・広報活動だ。
公表資料によると、トヨタのロビー活動費は、2007年(594万ドル)以降、徐々に減り始めた。2012年には340万ドルまで下がったが、2015年は468万ドルまで戻している。2016年は399万ドル、約4億5000万円だ。
ロビー活動のためトヨタが雇用した企業にはBGRグループ、シモンズ&ラッセルグループなどが並び、さまざまなルートを使っていることがわかる。日本政府でさえ、TPP可決に向けロビー企業を雇っており、今後、多くの日本企業がこうした経費支出を余儀なくされることだろう。
トランプの「アメリカ・ファースト」宣言で、一番おいしい目を味わえるのは、間違いなくロビー企業のようだ。