社会・政治
五輪開会式&閉会式の“ショボすぎ”花火が「欧州製」の不可解…日本の伝統花火業界から怒りの声
《なんだあのショボい花火は?》
《日本らしい三尺玉、四尺玉の花火で締めてほしかったなあ》
大坂なおみが聖火台に火をともすとともに、国立競技場の屋根から打ち上げられた1488発の花火。会場は鮮やかに染まったのだが――。
数々のトラブルに見舞われながら、平均視聴率が56.4%を記録するなど、世間的には好意的に注目を集めた、7月23日におこなわれた東京五輪の開会式。
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しかし、一部に《花火も日本らしくて繊細で綺麗なデザインだった》という反応もあったものの、ネットでは花火に対する酷評が目立った。「和」を強調した開会式のなかで、日本伝統の花火の技術は、なぜ発揮されなかったのか?
「開会式で用いられたのは、PYRO花火という種類のもので、見たかぎり、スペインかイタリアで生産されたものですね」
そう語るのは、ある花火業界関係者だ。世界中から注目される五輪の開会式で打ち上げられた花火が、国産ではなかったというのだ。
「日本の法律では、建物内での花火の打ち上げは、各都道府県の火災予防条例などで規制されており、今回は特例で認められたのでしょう。
日本の花火は、小型の2.5号のものでも、1メートル弱ほどの筒が必要になり、打ち上げると玉皮という火薬を包む皮が落ちてきます。
一方、PYRO花火の筒は30~40センチで済みます。国立競技場の屋根の上に固定するなら、やむを得ない選択だったと思います」(同前)
とはいえ、その選択を残念がる花火業者は多いという。
「全国各地の警察が東京に集められており、警備の人員が割けないという理由で、コロナの前から、各地の花火大会の多くが中止になるか、春か秋にずらすことが決まっていました。
それでも、開会式で日本の花火が打ち上げられるなら、インバウンドで訪れた外国人の方々へのアピールになったでしょう。しかし、スペイン製の花火しか打ち上げられないわけですから、花火業者にとって何のメリットもない。東京五輪は迷惑でしかないですね」(同前)
8月8日におこなわれる東京五輪の閉会式なら、すべての競技が終了しており、玉皮が落ちてきても影響は少ない。競技場の脇から日本製の花火を打ち上げることも不可能ではないはずだが……。