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石破茂・元防衛相 総裁選不出馬に続き派閥事務所を移転「家賃3分の1」で“ついに都落ち”の声

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.08.24 16:30 最終更新日:2021.08.24 16:30

石破茂・元防衛相 総裁選不出馬に続き派閥事務所を移転「家賃3分の1」で“ついに都落ち”の声

水月会の引っ越し先であるマンション(東京・永田町)

 

「水月会(石破派)の事務所が9月に引っ越すようだと、党内で話題になっている」(自民党関係者)

 

 9月29日の投開票とみられている自民党総裁選。高市早苗元総務相や下村博文政調会長がすでに出馬の意欲を見せ、岸田文雄前政調会長も出馬する予定だ。現職の菅義偉首相も記者会見で「時期が来れば当然のこと」と語っており、混戦が予想されている。

 

 

 ところが、水月会の顧問である石破茂元防衛相(64)は8月20日、BSフジの番組で「『私がやります』とは、口の端に乗せるべきではない」と、菅首相を支持することを公表。そんなタイミングで派閥の事務所を移転することに対し、政界にさまざまな憶測が広がっている。

 

 水月会は2015年9月、石破氏を総理・総裁にするための政策集団として、衆参20人の国会議員が参加し、石破氏を派閥の会長として発足させた。発足直後から永田町の議員会館のすぐ裏手に事務所を構え、毎週木曜日に定例会合を開いていた。事務所が入居していたビルは、北海道庁の東京事務所が入る地下1階、地上8階建て、築8年のオフィスビルだった。

 

 このたび移転先として予定されているのは、現在の事務所のさらに裏側にある、築43年の古いマンションの一室。現在の事務所の広さは約27平方メートルだが、移転先の事務所の広さは約20平方メートルと狭くなる。事務所の移転について自民党・細田派の関係者は「家賃は半分以下になるんじゃないの。水月会は“都落ち”だね」と同情した様子で話す。

 

 事務所移転の理由について、水月会の担当者はこう答える。

 

「9月末の契約更新時に賃料が15%上がるので、世話人の方々と相談したところ、もう少し家賃が安いところを探そう、ということになりました。また、去年の総裁選以降、石破先生が会長を辞任されてからは、今の事務所をあまり使わなくなり、定例会合などは議員会館の会議室を使う形になりました。

 

 今は、事務局の人間が1人いるだけのような状態なので、そんなに高い家賃を払うこともないだろうと。それで、6月ごろから物件を探し、不動産仲介サイトにちょうどお手ごろな物件を見つけました。議員会館も近いですし、事務局の人間1人が常駐するくらいなら、十分な部屋なので。総裁選とは関係ないですね」

 

 この担当者によれば、値上がり後の旧事務所の家賃は約36万円で、移転先の家賃は、その3分の1の約12万円。一方、石破氏の事務所に事務所の引っ越しと、総裁選について聞いたが、「コメントはできません」とのことだった。

 

 水月会の世話人のひとりである福山守内閣府大臣政務官(68)が取材に応じ、「水月会は都落ちした」という声についてこう反論する。

 

「それは勝手な言い分であって、私はそんなことは思っていないですけどね。家賃が3分の1ですし、無駄な金を使う必要もないですし。会議は外の事務所でやるよりも議員会館や党本部で集まったほうがやりやすいときもあるしね。家賃が高ければいいという問題ではないよね」

 

 また、石破氏が総裁選に出馬しないことを言明した以上、彼を総理・総裁にするための政策集団である水月会の存在意義はなくなってしまうのではないか、という問いには、こう答えた。

 

「2020年10月に石破会長が辞任するまでは、石破会長を総理・総裁にするため、というのが水月会でした。去年の総裁選が終わった後、石破会長が引かれて、政策集団として再スタートしようと、世話人4人(鴨下一郎元環境相、後藤田正純政調会長代理、福山氏、冨樫博之元総務大臣政務官)の集団体制にしました。一寸先はどうなるかはわからないけれども、今の状況の中ではまず、政策集団として、政策を勉強してやろうよという認識のもとで、みんなが一緒になって活動しようということです」

 

 また、石破氏を総裁・総理にするという目標はあきらめていないという。

 

「石破顧問のことは、もちろん素晴らしい人だと思っています。でも、今の状況はちょっと違ってきているのでね。(今回はチャンスだという声もありますが?)まわりの人は、そういう風に言ってくる。でも、石破顧問は今は総裁選のことは考えておらず、明鏡止水の心境のようです。吹っ切れたようなところがあるでしょ。時代がそういう風に求めるときもあるかもしれませんが、それがいつになるかは誰にも分からない」

 

 政治部デスクはこう言う。

 

「石破さんは、2020年の総裁選で4敗めを喫したことで、まだ傷が癒えていないのではないか。また、水月会の所属議員は現在は16人だが、代表世話人である鴨下氏が引退を表明しており、さらに所属議員が1人減ることになる。事務所の移転は費用対効果の意味もあるだろうが、今の時期にわざわざ安い家賃の事務所に引っ越すなんて『うちの派閥には金がない』と公言しているようなもの。少なくとも自民党内では『金がない』という印象はプラスに働くことはない。まだ64歳なので、“次の次”を考えているのかもしれないが、石破派は尻すぼみになりそうだ」

 

 2012年の総裁選で、一度は安倍晋三元首相に勝った石破氏。総理・総裁への意欲を持ち続けることができるのだろうか。

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