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年間約30回!天皇陛下が守り続ける「祈り」とは何か社会・政治 投稿日:2017.01.24 06:00

年間約30回!天皇陛下が守り続ける「祈り」とは何か

写真:宮内庁提供

 

 元日の早朝5時半、天皇陛下は宮中の神嘉殿(しんかでん)の前庭にお出ましになる。新年最初の祭祀「四方拝(しほうはい)」がおこなわれるのだ。

 

 まず伊勢神宮の方角に向かい、次に東南西北の順で四方の神々に遥拝される。その所作は、数ある天皇の拝礼のなかでも、とりわけ丁重なものだ。

 

 正座の姿勢から立ち上がり、腰を折って深々と頭を下げながら正座に戻り、そのまま平伏に。この動作を2度繰り返してから深く頭を下げた後、さらにもう2度、同じ動作を繰り返す。

 

「神嘉殿には暖房がないので、しんしんとした寒さが足元から忍び寄ってきます。陛下はそこで正座されるのです。拝礼されるために立ち上がる際は、何かにつかまったりしてはいけません。高齢の陛下にはたいへんなご負担でしょう」(皇室ジャーナリスト・久能靖氏)

 

 2007年以降は、天皇陛下の年齢を考慮し、四方拝は御所のベランダでおこなわれるようになった。しかし、装束の着用やスケジュールなど、負担の大きいものであることに変わりはない。

 

 一般にはなかなかうかがい知れない、こうした宮中での「祭祀」こそ、天皇家にとっては本来、もっとも重要な行事なのだという。

 

「鎌倉時代に第84代・順徳天皇が書いた『禁秘御抄(きんぴみしょう)』には、宮中の事は『先(ま)ず神事、後に他事』という記述があります。天皇家は古来『神事(祭祀)』を重視してきたとし、皇室の独自性を誇示したのです。

 

 とはいえ当時、天皇家の財政はままならず、祭祀を十分にできませんでした。その点、天皇陛下と皇后さまは宮中祭祀にもたいへん熱心でいらっしゃいます」(静岡福祉大学教授・小田部雄次氏)

 

 久能氏によれば、かつて美智子さまは「皇室は『祈り』でありたい」と語られたことがあるという。

 

「天皇・皇后両陛下がもっとも大切にし、心をこめてこられたのが宮中祭祀です。その根底には、つねに国民の平和・安寧を望む、というお気持ちがあります。にもかかわらずこれらは戦後、天皇家の私的な行為とされてしまった。そして、どのような祭祀がおこなわれるのかさえ、ほとんど国民に知らされなくなってしまったのです」

 

 天皇陛下のご活動には、大きく分けて「国事行為」「公的行為」「その他の行為」の3つがある。「国事行為」とは、内閣総理大臣や最高裁判所長官の任命、国会の召集など、憲法で定められた13の項目。

 

「公的行為」は、被災地への慰問、園遊会の開催、植樹祭への参加など、公的な意味合いの強い活動のこと。そしてそれ以外の、コンサートの鑑賞など私的な行為や「お田植え」といった伝統行事、宮中祭祀については「その他の行為」と呼んでいる。

 

「年間のご活動を合わせると、数百件にもなるでしょう。一日に、2つも3つも日程をこなさなければいけない日も多く、たいへんな激務です」(久能氏)

 

 宮中祭祀は公的行為にすら分類されていないが、年間約30回もおこなわれており、冒頭のようにその肉体的負担は相当なものになる。しかもそれを、天皇陛下はもっとも重要なものととらえているのだ。

 

■天皇陛下がたどり着いた象徴天皇にとっての「祈り」

 

 2016年8月、天皇陛下は、「従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合」の懸念を、お気持ちとして表明された。前出の小田部氏は、象徴天皇制を陛下が模索するなかで、「祈り」の作業を増やしてきた、と指摘する。

 

「そもそも、祭祀というものは時代によって変わるのです。戦後、陛下は全国各地をまわり、市井の方々とお会いするようになりました。なかでも戦争の被災地については、忘れてはいけないという陛下の強い思いがありました。戦争で多くの方が亡くなったという事実を背負わなければいけない、いわばこれも『祈り』なわけで、祭祀と近いものがあると思います」

 

 国民の前に膝をつき、同じ目線で直接、対話することで、天皇陛下は新時代の新たな祈りを実践してきたのだ。

 

「陛下は、どんなやり方が象徴天皇にふさわしいか、天皇としての在り方を考え続けてこられた。その結果、あるべき姿は、国民とともにあり、ともに行動し、多くの人に会うことだという結論に達したのです。 

 

 しかし、ご高齢でこの天皇像を果たせないという思いから、譲位をにじませたのでしょう」(久能氏)
 

 

 2016年12月23日、83歳の誕生日を迎えられた天皇陛下は、記者会見で、8月のお言葉について、こう答えられた。

 

「多くの人々が耳を傾け、各々の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」

 

 深く感謝するのは、我々のほうであるはずだ。

 

【宮中でおこなわれる主要祭儀一覧(宮内庁サイトより)】

 

1月1日 四方拝
1月1日 歳旦祭
1月3日 元始祭
1月4日 奏事始
1月7日 昭和天皇祭
1月30日 孝明天皇例祭
2月17日 祈年祭
春分の日 春季皇霊祭 
春分の日 春季神殿祭
4月3日 神武天皇祭
4月3日 皇霊殿御神楽
6月16日 香淳皇后例祭
6月30日 節折(よおり)
6月30日 大祓
7月30日 明治天皇例祭
秋分の日 秋季皇霊祭
秋分の日 秋季神殿祭
10月17日 神嘗祭
11月23日 新嘗祭
12月中旬 賢所御神楽
12月23日 天長祭
12月25日 大正天皇例祭
12月31日 節折
12月31日 大祓

(週刊FLASH 2017年1月10日号)

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