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競輪選手のコロナ感染を発表しないJKA…競輪ファンは“これじゃ車券を予想できない”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.09.03 16:00 最終更新日:2021.09.03 16:41
公営ギャンブルである競輪の情報開示の姿勢に、ファンが不信感を募らせている。業務を担う公益財団法人JKAが、新型コロナウイルスに感染した選手の名前を公表せず、ファンが車券を投票する際の予想を妨げているのだ。
「選手が感染した場合には、当然、練習を休むことになり、復帰してもすぐに本調子というわけにはいきません。ファンはお金を賭けているのですから、その選手が感染して何日間休んだという事実を情報として伝えるべきです。芸能人やプロ野球選手が感染すると、名前を公表するのが当たり前になっているのに、おかしいですよね」(競輪事情通)
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スポーツ紙の競輪担当記者も、「今後は選手名の公開は避けて通れない」と語る。
「私たちのところにも『選手1名の新型コロナウイルス感染が判明しました』というFAXが届くだけで、現状では選手名は伏せられています。これでは、選手のコンディションがわからず、精度の高い予想記事は作れません。レース中の選手の怪我や事故情報は公開されていますから、ダブル・スタンダードですよね。なにしろ、これだけ感染者が出ている状況ですから」
9月1日現在、競輪選手の新型コロナウイルス感染者数は「keirin.jp」の「競輪選手の新型コロナウイルス感染者発生について」に掲載された人数を数えると、約200人。競輪選手は男女含めて総勢2400人だから、感染割合は約8.3%となる。これは、同じ日段階の、日本全体の感染割合の約6.5倍という多さだ。
2021年1月、和歌山競輪場で開催された岸和田G3では、31人のクラスターが発生。この反省から、JKAは開催ごとに全選手へのPCR検査を義務づけ、陽性が判明した場合には追加のあっせんや補充をしない厳しい姿勢でレースをおこなっている。しかし、JKAの関係者が実態を明かす。
「たしかにJKAは、レース会場のコロナ対策について政府のガイドラインを守っているようです。しかし、選手たちは全国各地に遠征する際、途中まで別行動でも、最後に空港や駅から競輪場に向け、同じタクシーに乗り車内で会話しているケースが散見されるのです。
タクシー代を割り勘にして、経費節約にいそしんでいるのは、レースの中止や欠車が相次いでいるためですが、このため、結果として感染リスクが絶たれていないのです」
JKAにホームページで感染した選手名を公表する予定があるのかについて問い合わせると、「新型コロナウイルスに感染した選手名に関しましては、個人情報保護の観点から、公表する予定はございません。」との回答があった。
競輪は人間が自分の力で走るため、