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自民党「世襲組」86人中23人が慶應大卒だった…出身高校&偏差値を一挙公開!

社会・政治 投稿日:2021.09.04 06:00FLASH編集部

自民党「世襲組」86人中23人が慶應大卒だった…出身高校&偏差値を一挙公開!

 

 自民党の迷走が止まらない。いっこうに収まらない新型コロナウイルス感染拡大で菅政権の支持率は下がり続け、9月29日に投開票が予定されている総裁選挙は立候補予定者が乱立。混迷を極めている。

 

 そんな自民党内を見渡すと目につくのが、いわゆる「二世・三世議員」の多さだ。政治家の世襲が政治の劣化を招き、この国を着々と泥舟状態に陥れつつあるのではないか――。

 

 

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。

 

「屋号の “屋” の字がつく仕事は、うなぎ屋さんなど、代々受け継がれる仕事ですが、作家や画家など “家” の字のつく仕事は、一代限りのものといわれます。政治家もそのひとつなのに、これだけ世襲議員が多い日本は、かなり特殊です。アメリカはケネディ一家などの例がありますが、ヨーロッパで世襲議員はまず見られません」

 

 自民党は近年、麻生太郎副総理、石破茂元幹事長、岸田文雄前政調会長など、世襲議員が幹部の大半を占めてきた。しかしそこには、単純なカラクリがあると伊藤氏は言う。

 

「二世議員は親の跡を継いで、かなり若いうちから政治家になるケースが多い。そうすると、年齢を重ねずに当選回数がどんどん増えていき、そのまま幹部に取り立てられていく。能力とは無関係に、地位が上昇していくわけです」

 

 本誌は、父や祖父などの親族に政治家を持つ自民党の「世襲組」政治家86人について、その学歴を徹底調査した。

 

 石破氏や石原伸晃氏をはじめ、86人中23人が慶應義塾大学を卒業している。さらにはそのうち17人が、慶應の付属高校を出身校としている。慶應卒の議員が多い理由について、教育ジャーナリストの小林哲夫氏はこう分析する。

 

「理由として考えられるのは、世襲議員には若いうちから東京在住だった人が多い、という点です。地方選出の議員でも、東京に居を構えて、子供はそこから学校に通わせるケースが多い。だから世襲議員は必然的に東京の学校を卒業することになるのです」

 

 しかし東京の学校といっても、慶應ばかりではない。それがこれだけ集中してしまうのは、「慶應のブランド力」だと小林氏は指摘する。

 

「特に地方出身の国会議員から見て、子供の通学先で箔がつく難関の一貫校といえば、昔は早稲田には系列の小学校がなかったので、慶應がいちばんふさわしく思えたのでしょう。最近では、幼稚舎(小学校)から大学までずっと慶應という議員もいます」

 

 前出の伊藤氏は、時代の変化に着目する。

 

「かつて政治家志望といえば、私立ならまずもって早稲田を選んだものです。竹下登氏や海部俊樹氏を輩出した『早稲田大学雄弁会』で人脈を築き、政治家としての研鑽を積んでいくという図式でした。

 

 それがいつしか、慶應に凌駕されています。全体でも慶應卒の議員は増えていますが、世襲議員に限っていえば、いずれ自分の後継者となるべき子供に “慶應卒” というブランドをまとわせたかったのでしょう。

 

 国会議員、それも一代目は、地方から上京したという人が多い。言ってはなんですが、そういう人はブランド志向に陥りがちです。住むなら青山や田園調布、子供を通わせるなら慶應という親の見栄ですね」

 

 もちろん一方では、世襲とはいえ、自らの努力で地方の公立高校から東大に進学したような叩き上げの議員もいる。伊藤氏は、そういった人たちの努力は正当に評価すべきだとしながらも、選挙では「安心感」からつい世襲議員を選んでしまいがちな昨今の日本の風潮に警鐘を鳴らす。

 

「2人の候補のうち一方が世襲だったとして、どちらに票を投じるかというと、能力よりブランド重視で、地盤も看板もある世襲候補を選ぶという人が多いのではないでしょうか」

 

 前出の小林氏は、「高校から慶應」という環境で育った世襲議員ばかりが一国を動かす現状を憂えている。

 

「恵まれた環境で小中学校からずっと東京にいれば、地方が疲弊していく現状や格差社会の現実などが見えなくなってしまうのではないでしょうか。

 

 企業でも、オーナーの子供がそのまま社長になるようなケースはありますが、企業は利益を出さなければならないので、ダメな後継者は評価されない。

 

 ところが政治家の場合、ダメでも務まってしまうところがある。そこにも世襲の弊害があります」

 

 ブランド志向の親に育てられた “ボンボン” たちが選ばれた結果、いまの政治の惨状があるのかもしれない。一票を託すべきなのはどんな政治家か、有権者は熟考するときが来ている。

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