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天にツバ?トランプ大統領の政策でトランプホテルは経営難に社会・政治 投稿日:2017.01.26 13:00

天にツバ?トランプ大統領の政策でトランプホテルは経営難に

写真:YUTAKA/アフロ

 

 トランプ大統領が、就任初日に明言したことがある。

 

「『気候変動行動計画』のような有害で不要な政策は撤廃する」

 

 気候変動行動計画とは、簡単に言えば地球温暖化対策のこと。パリ協定に基づいて温室効果ガスを削減する計画を廃止し、国内のエネルギー開発を推進する意向を表明したのだ。

 

「多くのアメリカ国民に雇用と繁栄をもたらすために、シェールオイルとガス改革、さらには長らく低迷しているアメリカの石炭産業の復活を目指す」

 

 こう高らかに宣言したのはいいが、現在アメリカは世界第2位のCO2排出国で、1人あたり排出量でも世界有数の大国だ。そんな国が石炭産業の復活を目指すというのだから、この政策転換が気候に及ぼす影響はけっして小さくない。

 

 気候変動に懐疑的であっても、日々の異常は肌で感じるはずだ。2016年の年平均気温は、世界の多くの場所で平年より高く、低緯度域では、ほぼ年間を通じて異常高温が続いた。また降水量の変動も大きく、各地で豪雨や渇水をもたらした。

 

 米国海洋大気庁の担当者は、2016年の米国本土の平均気温は高かったと話す。「1895年以降、3月は(月平均気温が)4番目、6月は1番目、10月は3番目、11月は2番目に高かった」のだ。 

 

 実際、各地で異常高温を記録した。アメリカ東部のバージニア州ワシントンの3月の月平均気温は12.0℃で、平年に比べて3.8℃高かった。これはほかの都市でも同様だ。

 

 一方、降水量も変動が激しく、「8月の月降水量は1895年以降で2番目に多かった」(米国海洋大気庁)という。

 

 10月には過去10年で最大級となるハリケーン「マシュー」が米国フロリダ州からノースカロライナ州にわたる沿岸部を襲い、ハイチで数百人、フロリダ州で4人の死者を出した。カリブ海地域には大きな爪痕が残った。

 

 トランプ大統領は気候変動対策を放棄すると宣言したが、CDP(企業や自治体の環境への取り組みを調査・評価・開示する国際非営利団体)の報告書では、アメリカ企業のさまざまな実害が述べられている。

 

●スーパー《ウォルマート》
 ハリケーンカトリーナによって200店舗が一時閉鎖。そのうち110店舗は物理的損害を受け、6店舗は3カ月以上閉鎖、2店舗は廃止した。2004~2012年までに異常気象による停電で請求した保険料支払いは年間300万ドル。異常気象による被害は年平均2000万ドル

 

●食品《キャンベル》
 平均気温の変化は、原材料の調達先に影響を与える。収量とコストが変化するだけでなく、調達先や物流、入手可能性にも影響が出る

 

●衣料《GAP》
 降雨や干ばつのパターンが変化し、衣料品の原材料である綿花の収穫が減り、コストが増える。加えてハリケーンや大雪を含む激しい風雨で、2010年にはアメリカ東海岸でビジネスに影響を与えた

 

●ホテル《スターウッドホテルチェーン》
 平均気温の変化は光熱費の増加となり、コストアップにつながる。2035年までに温暖化による空調費用は冷房で170%、暖房で11%増えると予測。年間1000~2000万ドルのコスト増となる

 

 スターウッドホテルの報告から考えるに、不動産王トランプのホテルチェーンも同様のコスト増が見込まれる。また、不動産業・ホテル経営は立地によって豪雨の影響を受けやすく、とりわけ海沿いのリゾートホテルはハリケーン被害の影響も受けやすい。

 

 温暖化対策を放棄することで、ニューヨーク、シカゴ、ラスベガス、ワイキキ、マイアミなど多数の不動産・ホテルを所持するトランプ大統領自身に大きな影響が出るのだ。
(水ジャーナリスト・橋本淳司)

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