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高市早苗の足を引っ張った“熱烈支持者”の脅迫ファクス「河野は売国奴」「岸田に投票したら村八分にされて餓死するぞ」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.09.29 21:27 最終更新日:2021.09.29 22:09

高市早苗の足を引っ張った“熱烈支持者”の脅迫ファクス「河野は売国奴」「岸田に投票したら村八分にされて餓死するぞ」

 

 9月29日、菅総理の後継を決める自民党の総裁選挙が開かれ、岸田文雄前政調会長が新総裁に選ばれた。1回めの投票で岸田氏は、議員票146票、党員票110票の計256票を獲得。河野太郎行政改革担当相は、事前の予想を裏切り、議員票86票、党員票169票の計255票で2位に選ばれた。3位の高市早苗前総務相は議員票114票、党員票74票の計188票を獲得するなど善戦した。決選投票では、高市氏の支持票が岸田氏に流れたとみられる。

 

 

「高市氏の善戦は、“脅迫怪文書”が功を奏した結果かもしれない」

 

 と語るのは自民党関係者だ。

 

「高市氏を熱烈に支持する一般の方や民間組織が、一方的に議員会館の自民党議員の事務所にファクスで文章を送ってくるんですよ。総裁選で怪文書が流れるのは、いつものことで、議員のほうは慣れたもの。『また来た』くらいの感覚です。特に今回の総裁選は高市氏を応援するタイプの文章が多かったですね」

 

 本誌は、自民党議員に送付されたという怪文書の一部を入手。「初の女性総理」として高市氏がいかに優れているか解説するものや、他の候補者の欠点をあげつらうものなどさまざまだ。共通して、高市氏への投票を呼び掛けている。

 

《マスコミの世論調査で河野候補が1位で、岸田候補が2位となっていますが、あれはマスコミの出鱈目です》

 

《岸田候補は、まず、各分野に精通していないので議論ができません》

 

《河野候補は、完全なる売国奴であり国賊で論外の一言です》

 

 さらに、高市氏以外の候補者が選ばれた場合、その議員の《選挙区内の住宅の郵便受けに、実態を掲載したチラシをポスティングします。<中略>選挙区内の評判が著しく悪くなるので、お店で何も売ってもらえなくなり(商取引は双方の合意が必要)、食べ物が手に入らなくなって最悪餓死します。一言で言えば、村八分ですね》

 

 高市氏以外に投票した議員も《前述したように、落選するだけでなく選挙区内で食べ物を買えなくなって居場所が無くなるでしょう。国賊議員は日本列島に居場所がありません》

 

 などと、脅迫めいた主張で高市氏への投票を促す文章もあった。

 

「高市氏が総裁選への出馬会見で『国の究極の使命は、国民の生命と財産、領土・領海・領空・資源、国家の主権と名誉を守り抜くことだ』と主張しました。これに共鳴する保守派の人たちが活動しているんでしょう。熱心な層がいることは、議員も感じ取ったはず。事前の予測では、80票といわれた議員票が114票まで伸びたのもこれが理由の一端です」(前出の自民党関係者)

 

 高市氏の健闘に貢献したという“熱烈支持者”。だが、彼女が実際に総裁に選ばれるためには、むしろ足を引っ張る存在になっていたはずだと指摘するのは別の自民党関係者だ。

 

「一部では河野氏と高市氏の決選投票になるという事前の予測もあったんです。ただその場合、岸田を支持する議員の一部が、河野氏側に寝返る可能性を指摘されていました。というのも、高市氏の支持者層の強烈すぎる保守傾向には、ひいている議員も多いんです」

 

 高市氏もそれを恐れて、20日に自身のツイッターに下記の文章を投稿している。

 

《悲しいことに私の元に、高市支持者が他候補への政策批判を超えた罵詈雑言を発する行動があると多数報告を受けております。総裁選は議論していく場でもあり、例え正反対の意見であっても尊重しあう場です。各候補者も、その支持者も決して敵ではありません。他候補への誹謗中傷や恫喝や脅迫によって確保される高市支持など私は要りません》

 

 岸田氏の真価が問われるのは衆院選だ。“居場所がなくなる”自民党議員は増えるか否か……。

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