社会・政治
幹事長に内定の甘利明氏 「政治とカネ疑惑」から5年…政治部記者は就任会見で“1200万円口利き疑惑”を問いただせるか?
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.10.01 06:00 最終更新日:2021.10.01 06:00
総裁選決選投票の翌日である9月30日、新総裁となった岸田文雄氏は、10月4日に発足させる新内閣を含めた人事の調整に入った。二階俊博幹事長の後任には、甘利明税制調査会長を起用する方向で最終調整しているという。
甘利氏は、総裁選でいち早く岸田氏支持を表明し、岸田選対の顧問を務めた。まさに、岸田氏にとって“功労者”と言える存在だ。
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しかし、この人事発表に噛みついたのは立憲民主党の蓮舫代表代行。発表後に自身のTwitterを更新し、《「生まれ変わった自民党」「国民に丁寧に説明する」と、穏健な政治を主張された岸田自民党総裁。幹事長に甘利さん、ですか。》 と疑問を呈した。
「蓮舫氏は同ツイートで、甘利氏をめぐる“政治とカネ問題”の説明責任が果たされていない旨に触れた、毎日新聞の記事を引用しています。同問題は2016年1月、『週刊文春』の報道で明らかになりました。同報道よると、千葉県の建設会社が2013年5月、都市再生機構(UR)との補償交渉を有利に導くよう甘利氏側に口利きを依頼し、甘利氏や地元の公設秘書、政策秘書を接待。過去3年にわたって、甘利氏本人や秘書に総額1200万円を現金や接待で提供したと、建設会社に所属する人物の証言をもとに報じられました。
直後に会見を開いた甘利氏は、大臣室での50万円を含む計100万円の現金受領と、秘書が500万円を受領したことを認めたうえで大臣を辞任しましたが、刑事告発を受けた東京地検特捜部は、甘利氏と元秘書2人を不起訴処分に。しかし、国民や野党議員は、その疑惑を忘れていないのです」(政治部記者)
そこで注目されるのが、甘利氏の幹事長就任会見だ。
「過去の“政治とカネ問題”について、記者たちがそのことを質問できるかどうか、というところに注目が集まると思います。幹事長といえば、党運営の“心臓部分”。当然、国民が納めた“血税”とも向き合うことになる。その疑惑について、今一度マスコミにとっては問いただす姿勢、そして甘利氏にとっては説明する姿勢が、国民から求められているのではないでしょうか」(前出・政治部記者)
「国民の皆さんに政治の説明責任を果たしていくことは、しっかり取り組んでいきたいと思います」と、岸田新総裁は就任会見で語った。記者たちに過去の疑惑について問われたとき、その“右腕”となる甘利氏は、その言葉にならうことができるのだろうか……。