10月4日、岸田文雄氏が衆参両院本会議で第100代の内閣総理大臣に指名された。同日に組閣された岸田内閣は「全員野球」をキーワードに、コロナ対策や格差是正に取り組んでいく。
そんな岸田首相について、いま政策と同様に注目を集めているのが腕時計だ。ツイッターで《セイコー アストロン 価格:約33万円》とつぶやかれたことで、この金額が高いのか安いのか論争が起きているのだ。
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《この時計代だけで、特別定額給付金3人分を超える》
《33万円て一国の首相が着けるには安いくらいじゃないの!?》
《逆に言うと岸田総理には腕時計の値段以外、罵る点がなかったとも言えるよね》
などと、さまざまな意見が飛び交っている。
そもそも時計は本当にアストロンなのか。本誌がセイコーに確認したところ、「ネットで話題になっていることは把握しておりますが、個人情報なのでアストロンかどうかはお答えできません」とのこと。
そこで、本誌が腕時計の写真を確認すると、おそらく世界限定7000本のアストロンSBXB001だと推測できた。2014年に発売され、本体価格は30万円。当時の消費税8%を加算すると33万円弱となる。
岸田首相の腕時計について、政治ジャーナリストがこう語る。
「初代が1969年に発売されたセイコーの『アストロン』シリーズは、2012年にGPS搭載モデルが登場しました。一般的な電波時計と異なり、電波が届かない場所でも、GPS情報から自動的に現在地の時刻に修正されるそうです。
岸田さんは、2012年12月、外務大臣になったとき、このモデルを購入しています。そして、2014年11月、初の中国訪問を前にいまのモデルに買い替えました。
これまでも安倍元首相が3500円のカツカレーを食べただの、菅前首相が3000円のパンケーキを食べただの、有権者は政治家の庶民感覚に敏感です。
岸田さんの時計が高いは安いかはなんとも言えませんが、海外の高級時計ではなく、『国産品を訴えたい』という思いが強いのでしょう」
本誌は広島県にある岸田事務所に話を聞いた。担当者によると、岸田首相は外務大臣を務めた2012年ごろから腕時計にこだわりを持ち始めたという。
「外務大臣に就任してから、腕時計を新調したという話は聞きました。アストロンかどうかはわかりませんが、(アストロンなら)外務大臣として世界のどこの国に行っても、日本との時差が常に正確にわかるじゃないですか。特に高級志向があるわけではなく、時間に正確を期すということだと思います」
はたして、33万円の腕時計は庶民的なのか。手腕の前に、腕時計が話題になった岸田首相だった。