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北朝鮮の脅威に「いまこそミサイル配備を」と森本前防衛相

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2013.03.27 07:00 最終更新日:2016.03.01 22:31

 北朝鮮の暴走が止まらない。昨年12月、人工衛星打ち上げと称して事実上の長距離弾道ミサイルを発射。次いで核弾頭として搭載するため、小型軽量化を目指す3度目の核実験を強行。そして、米韓合同軍事演習に対抗し、朝鮮戦争休戦協定の白紙化や、板門店の南北軍事ホットラインの遮断など、米韓への挑発を続けている。その矛先は、ついに日本にも向けられた。

 

「敵が核兵器で威嚇するなら、われわれはさらに強大な核攻撃で反撃する。日本本土、沖縄、グアムの米軍基地も核攻撃の範囲である」(21日『朝鮮中央通信』)と、あからさまに日本を標的にすると宣言したのだ。これをたんなる脅しと見過ごすわけにはいかない。アメリカでも、北朝鮮の標的は韓国と日本だといわれているからだ。

 

 北朝鮮の脅威は確実に深刻の度を増している。それに対して日本は何ができるのか。ここにきて注目されているのが巡航ミサイルの配備だ。巡航ミサイルとは、ジェット・エンジンで水平飛行する無人の飛行機のようなもの。射程は短くスピードは遅いが、目標までの地形をあらかじめプログラミングし、GPSを頼りに飛んでいくため、命中精度が高く、目標物をピンポイント攻撃できる。

 

 前防衛大臣で安全保障のスペシャリストの森本敏氏は「いまこそ巡航ミサイルを配備すべきだ」と本誌に明言し、こう続ける。

 

「たとえば、北朝鮮が日本をノドン・ミサイルで攻撃してきたとします。その場合、まず日本海に置いたイージス艦のスタンダードミサイル(SM3)で迎撃し、撃墜できないときは、さらに地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で迎撃する。現在もこういう二層の防衛システムがあるわけですが、ミサイルの発射基地を直接攻撃すれば、より確実に攻撃を防ぐことができる」

 

 航空機から発射される空対地のミサイル、あるいは艦艇から発射される艦対地の巡航ミサイルを装備していれば相手国を攻撃できるが、日本は両方とも持っていない。『専守防衛』という憲法上の壁が立ちはだかっているからだ。ミサイル攻撃は先制攻撃に近い。だが、国際法上は問題ないと森本氏はいう。

 

「これは個別自衛権の問題で、国際法上は先制攻撃とはみなされません。もちろん、領域外における日本の武器の使用・武力行使が、個別自衛権を行使するために必要かという議論の余地がある。私は憲法解釈を変えるだけで可能だと思いますが、もっとはっきり言えば、憲法を改正すべき問題なんです。

 

 私は憲法を改正して、誰の目から見ても自衛権の行使であると明らかにしたほうがいいと思っています」

 

(週刊FLASH 2013年4月9日号)

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