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年金通知書が97万人に誤送付! 印刷をミスったサンメッセ社員が匿名告白「データ入力を一列間違えたと聞いた」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.10.11 09:50 最終更新日:2021.10.11 13:13
日本年金機構が、別人の年金情報を載せた通知書を大量に誤送付した問題は、連日大きく報道されている。
機構は、年金額を知らせる10月分の「年金振込通知書」に、宛名とは違う人の年金額や基礎年金番号、振込先の金融機関名や支店名(口座番号は含まれず)を記した「誤った通知書」を愛知、三重、福岡3県の約97万人に送っていたと発表、謝罪した。
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さらに和歌山県に住む受給者からも誤送付の問い合わせが相次いでいる。同県分の通知が郵便局に持ち込まれ、問題発覚後に配達中止が伝えられたものの、すでに発送された可能性が高いという。山形県、富山県、静岡県、岐阜県でも間違って刷られているが、この4県分は郵便局に渡っておらず、誤送付の可能性はない。
ミスプリントは実に352万人分に及ぶ。印刷を請け負った岐阜県大垣市の会社「サンメッセ」は大混乱に陥っている。
「会社の玄関先には、テレビやカメラを持った記者らしき人たちが、毎日来ています」
こう話すのは、サンメッセの現役社員だ。
「別部署の平社員なので、今回問題を起こした部署の雰囲気はわかりません。セキュリティが強く、部署に入れないんですよ。得意先や現場へ出るときは、『お騒がせしていて申し訳ありません』と言っています。そうすることくらいしかできません」
原因については「レイアウトを誤ったため、表面と裏面で違う人の情報が印刷されてしまい、その後のチェックもしていなかった」と発表されているが、同社員は「入力時に一列間違えたことが原因だと聞いています。サンメッセ側のミスですね。ロットごとに確認をすれば防げたかもしれない」と語る。
同社は「通知書の作成ならびに発送業務を受託し、印刷工程における弊社の作業が原因で誤送付いたしました。現時点におきまして、日本年金機構様が原因究明を進めておられます。弊社といたしましては日本年金機構様の調査に全面的に協力をしていく所存です」と公式リリースを出した。
今後、再送付の手続きが進められるが、追加費用は5000万円以上かかる見込み。これについて機構は、「(委託業者側に非があれば)負担していただくと考えているが、現時点では答えられない」としている。
同社社員は「97万件の誤発送と、残りの止めたぶんを正しく刷り直せなかったときは、国からの発注はなくなるでしょう。送料などはウチが持つことになると思う」と語った。
この事件を受けて、ネット上では厳しい意見が飛び交っている。
《やらかした奴に負担させるのが妥当。間違っても税金をぶっこまないように》
《業者が負担するべきでしょうね。普段から甘い汁を吸っているのだから》
《日本年金機構が渡した振込データに瑕疵はないのか。原因が、闇雲に葬り去られぬよう、第三者を入れての調査委員会の立ち上げが必要ではないか》
今回、本誌は実際に送付された「誤った通知書」を入手した。愛知県に住む40代男性は、「年金生活している母あてに送られたものです」と話す。
「間違えている箇所は、振込先、振込金額です。この銀行に、母は通帳や口座を持っていません。今までの振込先はゆうちょ銀行ですからね。振込額は 41万1938円となっていますが、こんなにもらったことはありません。毎回、13万ほどの入金があるだけでした。たとえば8月は12万9895円でしたから。ここに記載どおり、40万円を振り込んでほしいですね(笑)」
サンメッセの社員は「ウチのミスなので、今は謝ることしかできません。ボーナスにも影響するかもしれませんが、社の株価はあまり変わっていないので、世間はそれほど気にしてないのかもしれませんね。振り込まれる金額は年金機構さんがしっかり計算しているので、みなさんに影響はないはずです」と語る。
単純な失敗で大騒ぎになってしまったわけだが、年金番号の流出も起き、影響は甚大だ。波紋はさらに広がっていくかもしれない。