社会・政治
ソフトバンク「孫正義の懐刀」が安倍首相にトランプ対策を指南
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.02.10 12:00 最終更新日:2017.02.10 12:00
安倍首相とトランプ米大統領が、10日にワシントンで首脳会談を開催する。その後、安倍首相は大統領専用機でトランプ氏の別荘を訪問し、一緒にゴルフをするという。
一見、日米関係は良好そうに見えるが、会談では為替問題、自動車問題などがシビアに話されることが予想される。となると、日本経済にも大きな影響が出るだろう。
そんななか、ソフトバンクの孫正義社長は、いちはやく米国への500億ドル規模の投資と5万人の雇用創出を約束し、トランプ氏から大歓迎されている。
「トランプ大統領の『アメリカファースト』は経済重視ですから、日本企業は大統領の外圧に屈していやいや対策するより、先手を打って動いたほうが得です」
こう語るのは、ソフトバンク前社長室長で多摩大学客員教授の嶋聡氏。「孫社長の懐刀」と言われた人物だ。これからどんどん規制緩和するアメリカ経済には、大きなビジネスチャンスがある。だったら、一番乗りした方がいいというのだ。
嶋氏は、孫社長の「先手を取り、言われる前に言ってしまう」という行動は見事だったとも話す。
「アメリカ大統領であるトランプ氏を攻略するとは、世界を相手に演技するということです。孫氏の5万人の雇用、500億ドルの投資『5-500』というのはわかりやすく、トランプ氏に突き刺さりました。だから、トランプ氏は会談後の記者会見でも絶賛し、その様子が世界に配信されたんです。世界の目を意識するなら『シンプルで頭に残る数字』を言わなくてはなりません」
「不動産王」のトランプ氏は、よくも悪くもビジネスマンであり、交渉の達人だ。
「トランプ氏との交渉では、最初に『ブラフ』があるのは当然だと思ったほうがいい。でも、ビジネスマンですから、ロジカルに、利を持って接していけば、お互いにウィンウィンの関係を築くことは可能です」
日本では、ソフトバンクが日本で稼いだカネをアメリカに流すのは問題だ、との声もある。これに対して、孫社長は2月8日に行われたソフトバンク決算説明会で、こう述べている。
「我々がアメリカの会社に投資したとします。その会社が事業の拡大として日本にジョイントベンチャーを作る形の投資もある。いわゆるYahoo! JAPANのような形で、こういうモデルはこれから続々と増えていくと思うし、その結果(日本に)雇用も生まれる」
アメリカへの投資が回り回って日本の雇用も生む。まさにウィンウィンだ。安倍首相にも、トランプ大統領との会談でウィンウィンに持ち込んでほしいものだ。