社会・政治
「黒瀬深」運営者は20代男性!“ネトウヨの皇帝”は「僕のプロフィールは出さないように懇願します」と電話で繰り返した
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.11.12 11:00 最終更新日:2021.11.13 13:14
●「黒瀬深」に取材を申しこむ手紙を実家に託した3日後…
本誌も報じてきたとおり、「黒瀬深」アカウントについては、現在、衆議院議員でもある米山隆一弁護士が代理人となって、名誉毀損を理由にした損害賠償請求訴訟が起こされている。
第1回口頭弁論は8月23日におこなわれた。これに先立つ8月初旬、東京地裁に当該訴訟が係属したことを受けて、公開されていた事件番号や原告名、初公判期日をもとに、本誌は訴訟記録の閲覧申請をおこなった。
すると、訴訟記録は閲覧できなかったが、被告である「黒瀬深」アカウントの運営者の本名を確認することができた。
彼の名前は「吉田隆之介(仮名)」という。ありふれてはいないが、日本全国ではそれなりの数の同姓同名が存在するだろうと感じられる名前だ。だが、この姓名を唯一の手がかりに取材を進めていくと、「黒瀬深」アカウントの運営者として、一人の「吉田隆之介」氏が浮上した。
この吉田氏は、大阪府出身の25歳の男性だ。2019年3月に大阪府和泉市にある私立大学「桃山学院大学」の社会学部を卒業している。
吉田氏は大手消費財メーカーの子会社に勤める父を持ち、6学年下の弟がいる。吉田氏の父は大阪府内に自宅を構えており、本誌はここから、吉田氏本人に接触することを試みた。
しかし、本人は自分が「黒瀬深」アカウントの運営者だと家族に明かしていない可能性がある。そのため本誌は、家族には事情を明かさず吉田氏本人へ取材を申しこむべく、「親展」の手紙を用意した。
10月13日、手紙を携えた記者が、大規模な集合住宅にある吉田氏の父の自宅を訪ねた。玄関のインターホンを鳴らすと、母らしき女性の声がした。
ドア越しに社名と媒体名を名乗り、「隆之介さんにお渡しいただきたい」とドアポスト越しに手紙を差し出すと、女性は戸惑った様子だったが、承諾して手紙を受け取ってくれた。
それから2日間は、何も連絡はなかった。「黒瀬深」もTwitter上で、何ごともないようにツイートを続けていた。
だが、3日後の10月16日に、記者の携帯電話が鳴った。
見知らぬ番号からの電話に出ると、関西訛りがある若い男性の声がした。
「あの、吉田です……吉田です」
早口でこう名乗る男性に対して、最初は見当がつかず、何度か用件を尋ねていると
「手紙をいただいた吉田隆之介です」
と、震える声が聞こえた。「黒瀬深」アカウントの運営者である吉田隆之介その人だ。思わぬ形で、電話越しでの直接取材が始まった。
( SmartFLASH )