社会・政治社会・政治

カリフォルニアが「万引き天国」に…群衆が突如押し寄せ、商品を奪い尽くす!

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.11.25 06:00 最終更新日:2021.11.25 06:00

カリフォルニアが「万引き天国」に…群衆が突如押し寄せ、商品を奪い尽くす!

群衆に襲撃されたルイ・ヴィトン(写真:AP/アフロ)

 

 米国カリフォルニア州が、「万引き天国」という不名誉な称号を得そうである。

 

 11月19日の金曜日、サンフランシスコ観光の中心地ユニオンスクエアで、数十名のグループによる窃盗事件が起きた。襲われたルイ・ヴィトンは、店内をバールやハンマーで破壊され、次々に商品を奪われていった。犯人たちが次々と店から出て車に乗り込む姿は、即座にニュースとなって世界中に拡散された。

 

 

 ルイ・ヴィトン以外にもイヴ・サンローランやバーバリー、日本の眼鏡店JINSの米国第1号店も被害にあっている。

 

 翌日の土曜日、ユニオンスクエアから40キロ離れた高級百貨店「ノードストローム」に80名の集団が押し入った。25台ほどの車で目の前の道路をせき止めてから店内に乗り込み、目一杯の商品を手にして逃げる荒っぽい手口である。

 

 日曜日には、サンフランシスコから20キロ離れたオークランドの宝飾店が襲われた。オークランドでは週末だけで24の略奪が起きたそうだ。さらに月曜日には、少し離れたロサンゼルスに飛び火し、やはり「ノードストローム」に少なくとも18名が突入している。

 

 言うまでもなく、これらの事件は組織化された窃盗だ。メディアは彼らの犯行を「フラッシュモブ窃盗」「フラッシュ・ロブ(強奪)」などと呼んでいる。

 

 フラッシュモブとは、ネット上で流行した「突然出現するモブ(群衆)」のこと。雑踏のなかで突然コンサートやダンスが始まったり、サプライズのプロポーズに利用されたりする。

 

 今回も、ネットで何らかの示し合わせがあったうえで犯行に及んだと見られており、今後、こうした犯罪が当たり前のように起きるのではないかと危惧されている。

 

 カリフォルニア州では約10万円以下の窃盗は軽犯罪で、収監されることはない。危険なので、店員に万引き現場に関わらないよう指示している店もある。

 

 筆者の自宅そばにある宝飾店も、少し前に3名に襲われ、500万円ほどの被害が出た。以前にも襲われた中古ブランド店は、店舗を全面ベニア板で覆って営業していた。

 

 シリコンバレーで買い物をしていると、店の棚から堂々と商品を自分のバッグに入れる風景や、店員がなす術もなく万引き犯を見送るシーンに出くわすことがある。

 

 万引きに対する罪の意識が低いうえ、盗品を売る場所もたくさんあることが事件の背景にあるのだろう。だが、万引きが増えたことで、ある大手ドラッグチェーンは市内70店のうち17店をクローズした。じわじわと被害の影響が出ているのだ。

 

 警察は万引きに対して動くことが比較的少ないが、今回はさすがに様子が違う。逮捕者はわずかだが、軽犯罪ではなく、重罪が求刑されるという。

 

 サンフランシスコ市長も、すぐに車の出入り制限や警察官の増員を指示したが、被害の拡大は防げそうもない。悪いことに、今週金曜日はアメリカ中で大セールとなる「ブラックフライデー」だ。小売業界にとって1年で最も忙しい時期だが、警察も忙しくなるかもしれない。(取材・文/白戸京子)

 

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る