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イメージ良好な社も…“ブラック企業大賞”の意外な候補

社会・政治 投稿日:2013.07.08 07:00FLASH編集部

 6月27日、今年で第2回を迎える「ブラック企業大賞」のノミネート企業8社が発表された。この賞は、弁護士や労働組合、ジャーナリストなど、労働問題の専門家が実行委員を務め、話題になっている「ブラック企業」を“表彰”し、労働問題の啓発をするためのものだ。大賞は8月11日に発表される。

 

 ブラック企業とは、長時間労働やセクハラ・パワハラなど、過酷な労働環境を社員に強要し、その結果社員がうつ病や過労死に追いやられるような企業のことを指す。この賞では、学校法人や官公庁なども対象になっている。ノミネート企業8社は次のとおり。

 

【ワタミ】居酒屋チェーンや介護事業を全国展開している会社

【クロスカンパニー】複数のブランドを展開する女性向け既製服製造小売り企業

【ベネッセコーポレーション】進研ゼミなどの通信教育、介護事業などを展開する会社

【サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)】ステーキなどレストランチェーン店を展開

【王将フードサービス(餃子の王将)】餃子をはじめとする外食チェーン店を展開

【西濃運輸】岐阜県に本社を構え『カンガルーの西濃』として知られる運送大手企業

【東急ハンズ】生活雑貨の大手量販店として全国的に有名

【東北大学】宮城県仙台市内に5つのキャンパスを有する大学

 

 2年連続、『ブラック企業大賞』にノミネートされたのはワタミのみ(ワタミでは’08年6月、26歳だった正社員の森美菜さんが、厚労省が定める過労死ライン〈月80時間の残業〉をはるかに上回る141時間の残業を強いられ、入社わずか2カ月で自殺している)。

 

 昨年度の“大賞”は原発問題を抱える東京電力だった。ワタミも東京電力も、問題のある企業としてたびたび厳しい報道に晒されてきた。

 

 だが、今回のノミネート企業を見てみると、イメージが良好な企業もノミネートされている。じつはノミネート企業は、企業イメージや風評で決められているわけではない。実際に、労働問題で訴訟がおこなわれているなど、客観的な事例をもとに決められているのだ。どの企業も深刻な労働問題を抱えている。実行委員はこの賞の意義をこう語る。

 

「我々が悪い企業を表彰することで、企業の在り方を問いたい。次の参院選でもブラック企業問題が争点になってきており、各政党の見解を聞きたい」

 

 実際に、自民党はワタミの渡邉氏を擁立したことで、強い非難にさらされている。政治部記者は、「石破茂幹事長の元には、メールや手紙などでワタミ批判の声が多く寄せられている。石破さん本人はひどく不機嫌ですね」と話している。

 

 参院選で争点のひとつになりつつあるブラック企業問題。国民の怒りがブラック企業を断罪する日は近い。

 

(週刊FLASH 7月16日号)

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