12月21日、岸田文雄首相は記者会見で、2020年の春に政府が配布した “アベノマスク” について、2021年度中に廃棄する方針を明らかにした。3月時点で8200万枚の在庫があり、かかった保管費用は6億円以上という負の遺産が、ついに処分される。
この日、会見前におこなわれた参院本会議では、「厚労省が検品を実施したところ、7100万枚のうち1100万枚、およそ15%が不良品だった」という衝撃の事実が明らかになった。検品には21億円ほどかかったという。
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巨額の税金をかけて調達したにもかかわらず、在庫はふくれ、しかも膨大な不良品の山。保管料に加え、さらに21億円もの検品費用がかかったお粗末さに、ネット上では、批判が殺到している。
《検品に21億で廃棄料にはいくらかかるんでしょう? かかったお金は税金ですよね?》
《不良品検品に21億かけてそれを後から廃棄しますって?どんだけ無駄に無駄を重ねれば気が済むのでしょう》
《アベノマスク不良品15%て…不良品に金を払い、検品するのに金を払い、不良品を保管するのに金を使い…無駄が多すぎやろ…》
松野博一官房長官は、15日の記者会見で「災害備蓄や地域住民への配布などで活用していただく」とし、少しでも在庫を減らすため、希望する自治体へ配布する方針を明らかにしている。
だが、ある政治ジャーナリストは、こう語る。
「自治体への配布について、21日の参院本会議では、立憲民主党の杉尾秀哉氏から『私はこうした希望を寡聞にして聞いたことがない。自治体に押し付けないでください』といった追及もありました。
また、今後廃棄を進めるにしても、無料ではありません。廃棄に6000万円のかかるとの報道もありました。まだまだ問題は山積みです」
余った膨大なマスク、もはや年末の大掃除くらいしか、使い道はなさそうだ。
( SmartFLASH )