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“維新キラー大石さん”「天敵・吉村府知事と対決したい、元上司・橋下徹さんが相手なら最高」

社会・政治 投稿日:2021.12.24 16:00FLASH編集部

“維新キラー大石さん”「天敵・吉村府知事と対決したい、元上司・橋下徹さんが相手なら最高」

 

「とんでもないペテン師が知事やっとんなしかし」

 

 日本維新の会副代表でもある吉村洋文大阪府知事を、ツイッターでこう切って捨てたのが、「れいわ新選組」の大石あきこ衆議院議員(44)だ。

 

 大石議員は、「文通費(文書通信交通滞在費)」見直しを訴える急先鋒の吉村知事自身が、かつて在職1日で100万円の「文通費」を受け取っていた事実を明かし、批判の“ブーメラン”現象が沸き起こるきっかけを作った。

 

 

12月12日にNHKの『日曜討論』に出演した際には、吉村府政のコロナ対策についても舌鋒鋭く追及している。番組では、感染力の強いオミクロン株の感染防止のために保健所職員を大幅に増やすべきだと主張、大阪府では保健所職員が過労死レベルの残業を1年以上も続けている窮状などを訴えた。その迫力は、同席した維新の足立康史衆院議員もタジタジになるほどで、番組終了後、ツイッターで「大石さん」がトレンド入りする社会現象になったほどだ。

 

 先の衆院選で初当選したばかりの新人議員ながら、今や“維新キラー”として一躍名を上げた大石議員が、本誌のインタビューに応じた。

 

 大石議員と維新の“因縁の戦い”は13年に及ぶ。2008年に橋下徹氏が大阪府知事に就任した最初の朝礼で、徹底的に無駄をなくすため「勤務中のたばこ休憩や私語は全部減額!」と言宣したときだった。当時、30歳の府職員だった大石氏が突然立ち上がって、「どれだけサービス残業をやっていると思ってるんですか!」と噛みついたのだ。

 

「あのときの橋下さんは、そりゃ怖かったですよ(笑)。でも、“止むに止まれぬ思い”で立ち上がっていましたね。橋下さんは、知事選のときから『公務員は特権階級』『公務員というシロアリのケツを蹴る』なんて言ってました。一生懸命、府民のために働いているのに、こんなことを言われて喜んでいたら“ドM”ですよ。公務員を悪者に仕立てて、府民の不満をそらす。そういう手法は非常に危険だと思いますし、公務員の一人として腹が立つじゃないですか。『職員の先輩や仲間が、府民のためにこんなに頑張っているのに嘘つくな!』『お前に何がわかるんや!』という気持ちでした」

 

 そして、スタートした橋下府政は心配したとおり、府職員にとって厳しいものだった。

 

「無駄だからともかく職員の数を減らすという流れです。そして、府から市町村への権限移譲を進めたんです。権限を移すと、やる仕事とやらない仕事がパッチワークになって、かえって手間がかかるんですよ。仕事は増えるのに人員は減っていくみたいな状況が山ほど出てきた。当然、仕事の質は下がります。これでは結局、府民のためにもならへん。府民への騙し、裏切りですよね」

 

 維新の合理化、人減らし政策は、現・吉村府政のコロナ対策にも影響しているという。

 

「大阪府の人口当たりのコロナによる死者は全国ワースト1です。保健所職員も過労状態で、感染が収まってきた12月になっても、保健師さんたちが労働基準局に訴えているほどです。これは、維新府政が保健所などの公衆衛生部門をリストラしてきた結果ですよ。でも、そうした報道は極端に少なく、大阪のコロナ対策は順調のように報じられている。これ、おかしくないですか」

 

 維新の“改革”によって、府民の生活は確実に悪くなったと主張する。

 

「よく、地下鉄のトイレがきれいになったって言うんですが、それでええんかと。実際、大阪はほかの大都市よりも労働者の所得が低迷しているんです、なんでなんかと。一時期、インバウンド需要が高まったから、それを当て込んで、大阪市内でも北区とかの開発は進んだ。でもそれって、お金持ちのためでしょ。街へ行ったらきれいで、そこへの投資はされているかもしれない。でも、本当に儲かってますか? 賃金上がりましたか? 子供増やせましたか? それが叶ったのはごく一部の人で、多くの府民は貧しくなっている。それは、日本全体の問題でもありますけど」

 

 そして、橋下氏への対抗心を人一倍燃やしている。

 

「橋下さんに執念深く反対するのは、維新が府政を担って以降、やっぱり社会的な不正義が続いていて許せないからですよね。たまたま一発殴られたとか、1回ひどい目に遭っただけなら、ここまでやらない。そうではなくて社会、壊す気かよっていう政策がまかり通っているから、絶対に受け入れられない。

 

 維新の何が悪いって、自公政権を代弁する“突撃隊”の役割を担っているところです。安倍政権、菅政権もできなかったことを維新が先頭切ってやって行く。規制緩和もそうだし、労働組合潰し、カジノ推進・・・・・・こうした新自由主義的な政策を、維新が“突撃隊”になって助けている。それなのに改革者ぶって・・・・・・ほんま最低や」

 

 一方、岸田政権は「新しい資本主義」を唱え、新自由主義とは一線を画しているが・・・・・・。

 

「たしかに、岸田さんは給料を上げろと主張してる。給料がどんどん下がって、もう労働者は生き残れなくなってきたからです。だから『新しい資本主義』を掲げざるを得ない。たとえば、介護、保育の現場の人たちの賃金を上げると言ってますが、その現状認識は正しい。でも、いくら上げるかといったら、たった月9000円。『おいっ!』といいたくなるのが、岸田さんの『新しい資本主義』ですよ。介護、保育士の賃金は全産業の平均と比べて、月に8万5000円も低い。年収で100万円以上低いんです。れいわ新選組は月10万円以上上げることを政策にしています。国にはまだお金がある。通貨発行権がありますし、金持ちから税金を取れば財源はあります」

 

 大石議員が府政の問題をこれほど指摘しているにもかかわらず、吉村知事の人気は根強いが・・・・・・。

 

「ではなぜ、東京の小池百合子知事はあれほど強いんでしょう。それと一緒やと思いますが、やっぱりテレビの影響が大きいのでしょう。橋下さんや吉村さんが、あれだけテレビに出て言いたいことを言ってるし、大阪のコロナ対策は順調にいっているように報じられている。でも、ほんまにそうなのか。そこをよ~く考えて欲しいんです」

 

 今度、「FLASH」で吉村知事と対談しては? 最後にそう提案してみた。

 

「いいですねえ。でも、それって私しか得しないんですよ。だって、もし私が論破されたとしても、私の知名度は上がるじゃないですか。対談相手が橋下さんなら最高ですね。“吉村ブーメラン”のときに文通費について、『維新を倒すための戦費として私は100万円でもなんでも使います』とツイートしたら、橋下さんが『れいわの非常識度が炸裂!』って、わざわざ絡んでくれたんです。それに私は『元上司の橋下さん。お久しぶりですね』とリツイートで返答したら、私のツイッターのフォロワーが倍になったんですよ」

 

“天敵”の影響力を利用して、自らの声を拡散する。あくまでしたたかなのだ。

 

( SmartFLASH )

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