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北京五輪は「サクラ客」を入れて開催へ…習近平が絶対指令「オミクロンでも東京五輪より成功を」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.12.27 22:00 最終更新日:2021.12.27 22:09

北京五輪は「サクラ客」を入れて開催へ…習近平が絶対指令「オミクロンでも東京五輪より成功を」

写真・新華社/アフロ

 

 2022年2月4日の北京五輪開催まで、残すところ1カ月あまり。12月23日、人口約1300万人を擁する中国中部の大都市・西安市で、新型コロナウイルスの感染拡大から大規模なロックダウン(都市封鎖)が始まった。

 

 早くから「東京五輪とは異なり、観客を入れての開催になる」と喧伝してきた中国政府だが、ここにきて本当に “有観客” なのか、中国内でも疑問視する声があがっている。肝心のチケットが、このギリギリのタイミングになってもまだ販売されていないのだ。中国在住ライターのもがき三太郎氏は語る。

 

 

「北京五輪のチケット販売公式サイトを開くと、『コロナ対策の具体的措置とチケット販売の詳細は現在検討中で、決まったら適切な時期に公表します』と書かれたまま、ずっと更新されていません。

 

 12月23日に発表された北京五輪の防疫に関する手引きでは、選手に対して手を叩いて応援したり、歌を歌ったり、声援を上げたりしないよう注意書きがありますが、肝心の『会場に入れるのか』『チケットの販売はあるのか』という点については、コロナの状況を見て決めるとされています」

 

 北京五輪の組織委員会は、大会期間中、会場では「封鎖式管理」がおこなわれると発表している。これは、中国を訪れる選手やコーチ、メディア関係者はもちろん、大会運営に必要な現地の中国人スタッフまでも、開催中は一切指定エリアから出られないという厳格なもの。

 

 今回、競技会場は北京市と河北省にまたがっているが、そこでは運営に従事するボランティアや医療スタッフ、果ては掃除スタッフまでも、エリア内のホテルや選手村の宿舎に泊まることが義務づけられ、外部の人との接触は一切禁じられるのだ。

 

「北京五輪は中国の春節(旧正月)のまっだだ中に始まりますが、ボランティアや運営スタッフは当然帰省もできません。

 

 現地メディアによれば、ボランティアの人々は2022年1月25日から業務に就き、そこから2カ月以上、会場に “閉じ込められる” わけです。

 

 つまり、北京五輪の会場とは事実上、隔離エリアのようなもの。オミクロン株の脅威もあり、徹底した対策を取らねばならないのは確かですが、それほど厳しい管理を敷くなか、観客を入れることなどできるのか、疑問です」(同前)

 

 となると問題は、封鎖管理エリアに観客席が含まれるのかということ。この点について、当局は現在のところ、明確なアナウンスをおこなっていない。

 

 前言を翻し、無観客で開催するのもひとつの手だが、それではホスト国としてのメンツが立たない。円満な開催と大会の盛り上がりをアピールし、外交ボイコットが無意味であったと主張するためにも、観客はぜひとも入れたい。しかし五輪会場でクラスターが発生してしまっては元も子ないーー。

 

 ジレンマに悩む習近平国家主席にとって、最善の手は「関係者のみが観戦」というケースだ。

 

「端的に言ってしまえば、“サクラ” を用意するということです。あらかじめ格好がつく程度の人数の応援要員を確保しておいて、大会期間中は封鎖管理エリアで過ごさせる。

 

 また、ボランティアや運営スタッフなど、仕事の手が空いている者は観戦OKとする。もちろん、ゲストやVIPなども観戦するでしょうが、それらの人々は観客席ではなく、完璧にガードされた特設室から観戦する――。

 

 中国の五輪関係者は、習近平氏がこのような結論を下す可能性がいちばん高いと話しています。現段階で取りうる、手っ取り早くて感染リスクの小さい方法であり、なおかつ習氏の顔も立ちますからね」

 

 そもそも、今回の大会は『中国国内在住者のみが観戦できる』とアナウンスされており、普通に観客を入れたとしても、どのみち会場が熱烈な中国人サポーターで埋まるのは間違いない。

 

 北京五輪のボランティアには100万人を超える応募者が集まり、そのうち採用されたのはオリンピックが約2万7000人、パラリンピックが約1万2000人と報じられている。

 

「中国の学校では、政府が強く後押ししており、進学や留学の際に重視されることから、ボランティア活動が盛んです。

 

 とくに将来、中国共産党員になることを目指している学生ならば、ボランティアへの参加は欠かせません。当然、そういう活動に精を出すのは優等生キャラの学生で、喜んでサクラ客を演じてくれるでしょう」(同上)

 

 ただ、本当に観客席が中国人サクラ客だけで埋まってしまうと、欧米メディアに批判のスキを与えてしまうのは、火を見るよりも明らかだ。

 

「北京在住の外国人にもある程度の枠を振り分けるでしょうね。北京は政治都市であり、各国の大使館もあれば国際機関の出先事務所だってある。コロナ禍でも帰国していない留学生やビジネスマンも少なくない。

 

 たとえば、中国では『○○国際博覧会』と銘打ってはいるものの、海外から人を集められないので、国内在住の外国人を集めてインターナショナル感を出すという手法がよく取られています。政府にとって “慣れた手口” なんですよ」

 

“サクラ客” 開催で東京五輪にマウントを取られると思うと、癪に障るが……。

 

( SmartFLASH )

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