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米国本社に責任負わされた?マクドナルド原田社長“退任の真相”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2013.09.04 07:00 最終更新日:2016.03.01 22:18
「自分は日本一優秀な雇われ社長という自負を持っている」、かつて経済誌元編集長にそう語った日本マクドナルドホールディングス(HD)の原田泳幸会長兼社長兼最高責任者(CEO・64)が8月27日、傘下の事業会社『日本マクドナルド』(以下マック)の社長とCEOを退任し、後任に6カ国の事業に携わってきたサラ・カサノバ氏(48)が就任した。
引き続きマックの会長とHDの会長兼社長兼CEOにとどまるが、原田氏はこの突然の人事について「退任ではなくマネジメントの強化だ」と、会見で強気に語ったが、経営不振の責任を米国本社から迫られたというのが大方の見方だ。さる経済ジャーナリストは次のように話す。
「’11年から2年連続減収減益のうえに、今年度前期6月までの業績が悪すぎた。売り上げが前年比11.4%減の1,297億円、営業利益も40.6%減の70億円で、しかも下半期も下方修正したために、経営責任を誰かが取らなければならなかった」
原田氏が、アメリカ本社から請われてアップルコンピュータから移籍したのは’04年のこと。翌年から日本マクドナルドHDと事業会社のマック双方の会長、社長、CEOの6つのポストを兼任。ワンマン体制を敷き、V字回復を実現させた。’10年までは毎年増益を続け、外食産業ではまさに一人勝ちであったが、デフレが続くと次第に業績が悪化。もともとマックには、業績好調をアピールする、ある“からくり”があったという。
「’07年から毎年40億〜50億円の店舗売却益が計上され、これが経常利益を押し上げていた。直営店の店舗整理で返還された保証金も営業利益に含まれ、業界では焼き畑農業と揶揄されてきた」(前出・経済ジャーナリスト)
それは、利益最優先の米国本社に右ならえの手法といえるかもしれない。だが、だからこそ2年連続の減収減益と今期の不振が米国本社の危機感をいっそう募らせたともいえる。今後も米国本社の矛先は、確実に原田氏に向けられるという見方もある。
『本日より「時間外・退職金」なし』の著者で、マックの事情に詳しいジャーナリストの田中幾太郎氏は、8月の人事は普通ではないとして、こう語る。
「マックは12月決済で株主総会は3月。やはりなんらかの責任を原田氏に取らせる必要があったということだ。数字が悪いのに漫然と原田体制を続けたのでは、米国本社の責任問題にもなる。今回の人事は、原田氏が近いうちにすべての職も解かれる道筋をつけるという前提だと思います」
(週刊FLASH 2013年9月17日号)