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池上彰 部数減で苦境も…「新聞はオワコンじゃない。読まない人は損をします」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.01.12 18:25 最終更新日:2022.01.12 18:28

池上彰 部数減で苦境も…「新聞はオワコンじゃない。読まない人は損をします」

 

 新聞を毎日欠かさず読む人はどのくらいいるだろうか。文字量が多くて読む時間がない、ニュースはネットで十分……もはや新聞はいらないと考える人も増えているのではないか。だが、“新聞読みのプロ”であるジャーナリストの池上彰氏は言う。「新聞を読まないあなたは損をしています」。

 

「新聞が『世の中を知る』ための基本かつ最良のツールであることは、今も昔も変わりません。一面からめくっていけば、政治、経済、国際情勢、文化やスポーツを含めた世の中の動き全体を短時間で、ざっと俯瞰できる。この一覧性において新聞に勝るメディアはないでしょう。新聞は情報量も非常に多い。朝刊の文字数は、およそ20万字。新書2冊ほどの分量に当たります。毎日、新書2冊を読むのは難しいかもしれませんが、一覧性のある新聞は全体を見渡すだけでも価値はありますし、そこで気になった記事を読めばいいのです」

 

 

 だが、速報性や手軽さではテレビやネットにはかなわない。実際に発行部数も激減している新聞は、メディアとしてはもはや「オワコン」だという声もある。

 

「とはいえテレビも新聞から情報を得ているし、ネットのニュースサイトの記事やSNS上の情報も、元をたどれば新聞というケースは非常に多いのです。新聞社自身もネットに力を入れるようになっています。速報はネットで、インタビューや企画連載などじっくり読ませる記事は紙で、と役割分担が進んでいます。ネットの普及により、実際の発行部数以上に多くの人が新聞の情報を目にするようになったと言えるのです。

 

 さらに企画読み物は、ビジネスのヒントになりますし、なにより記者たちが健筆を振るっているので、読みやすい、わかりやすい名文を学ぶのにピッタリです。新聞はまだまだ『オワコン』ではありません」

 

 池上氏自身、子供のころから「新聞が配達されるのが待ち遠しかった」という新聞好き。今も、自宅に届く新聞6紙(『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』『朝日小学生新聞』『毎日小学生新聞』)と、外出時に購入する2紙(『東京新聞』『産経新聞』)に毎朝目を通し、気になった記事は寝る前に読み込むという。

 

 さらに地方紙(『河北新報』『信濃毎日新聞』『京都新聞』『中国新聞』『高知新聞』『大分合同新聞』『長崎新聞』)が1日遅れで郵送されてくる。郵便受けが新聞で溢れてしまう状態だという。

 

「ネットのニュースだと、自分が知りたい話題だけを読むことが多いでしょう。それ以外のニュースを知ることができません。ところが新聞紙面を広げると、自分の興味のあること以外の記事も目に飛び込んできます。ついそちらのニュースにも目を通すようになり、視野が広がっていきます。新聞は、自分が知らなかった分野や世界中で起こった出来事をいち早く伝えてくれるのです。それが魅力ですね」

 

( SmartFLASH )

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