岸田文雄首相が1月20日、各党代表質問に臨んだ。真っ先に議題にあがったのは、政府が最優先課題とする新型コロナウイルスへの対応をめぐるものだ。
昨年12月1日から、医療従事者や高齢者を対象に3回めのワクチン接種が始まった。しかし、現時点で3回めのワクチン接種を終えたのはわずか1.5%。OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかで、日本がもっとも遅れていることになる。
【関連記事:岸田首相がブレすぎで、いまさら菅前首相の評価が急上昇「ガースー戻ってこい」】
「岸田首相は、『(1回めの)接種開始が早かった国では3回めも早く、わが国では今後本格化していく』と述べていますが、当初から、3回めのワクチン接種は政府の計画どおりに進んでいません。
厚労省が昨年に承認した、飲むコロナ治療薬『モルヌピラビル』も、製薬会社と160万人分の使用契約を結んでいますが、現段階ではまだ3万人ぶん程度にとどまっており、こちらも『遅すぎる』という批判が出ています」(政治ジャーナリスト)
実際、ツイッターにも、《高齢者の3回目のワクチン接種が遅すぎるわ!》《政府誰も使えない 判断遅いし まとまりないし》などと、非難轟々となっている。
コロナ対策に疑問符がつく岸田政権に対し、ひそかに称賛を集めているのが、菅義偉・前首相だ。「東洋経済オンライン」に掲載されたインタビューで、ワクチンの供給確保に奔走した当時の様子が明かされ、話題となっているのだ。
「菅さんが首相に就任した当時、日本のワクチン接種率は諸外国に比べ、大きく遅れていました。そこで菅さんはファイザー社との電話交渉を直々におこない、2021年5月に5000万回分のワクチンを確保します。
しかし、1日100万回を目標に接種を加速させると、8月分のワクチンが足りなくなってきた。
そこで菅さんは、東京オリンピックの開会式のため来日していたファイザー社CEOのアルバート・ブーラ氏を迎賓館に招待したのです。民間人が客として招待されるのは、初めてのことでした。
菅さんはブーラ氏とともに池のコイにエサをまくなど、最大限のもてなしをして、700万回分のワクチンを前倒しで供給してもらうことに成功するのです。
その結果、8月も1日100万回のペースで接種が進み、11月には全国民の約75%が2回め接種を完了しました。菅さんはインタビューで『やはりトップ同士の信頼関係が重要だと思っています』と振り返っています」(前出・政治ジャーナリスト)
このインタビューが掲載されると、ニュースのコメント欄やSNSには、
《あまりにも大きい功績を菅元首相は残した。ワクチン接種だって岸田首相じゃ、あの爆速の接種はできなかった》
《菅元総理はあの状況でよくやったと思う。色々批判する人はいるけど客観的にみてかなり良い政策をいくつも実施したし、ワクチンをあれだけ早く国民に接種出来る様にしたことは再評価されてもおかしくないと思う》
《ファイザー社長を迎賓館で直説口説いたのか。菅ちゃん凄い》
と絶賛する声があふれた。途中から爆速となったワクチン接種の背景には、人知れぬエピソードがあったのだ。
( SmartFLASH )