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文科省「天下り汚染」裏の人事課長の年収は1500万円!

社会・政治 投稿日:2017.03.09 12:00FLASH編集部

文科省「天下り汚染」裏の人事課長の年収は1500万円!

『揺れる文科省』

 

 文部科学省による「ОB民間人」を介した天下り斡旋。その仲介役だった同省人事課OBの嶋貫和男氏(67)は、衆院予算委員会で、斡旋を「人助け」「ボランティア」と殊勝に語ったが、その内実はカネまみれだった。

 

「嶋貫氏は'68年にノンキャリア職員として当時の文部省に採用されました。地方都市の病院事務長などに出向したのち、20年あまり人事課に籍を置き、『人事関係で能力、経験ともに高く評価される職員』といわれていました」(霞が関関係者)

 

 '09年に同省を退職。そこから人事課を巻き込んだ「組織的天下り」が本格的に始まった。

 

「嶋貫氏は'09年7月から一般財団法人『教職員生涯福祉財団』で審議役として報酬700万円を得ながら、天下りの斡旋をします。同時に同省職員らが加入する団体保険を取り扱う保険代理店から年間500万円の顧問報酬が支払われていたのです(合計1200万円)」(社会部記者) 

 

 財団退職後も厚遇が約束されていた。

 

「省内で見つかった'13年9月付の『再就職支援業務について』と題した文書には、保険会社顧問として『週1日の勤務か、月2日の勤務で1000万円の報酬』という驚愕の数字があります。嶋貫氏は保険代理店からの年間500万円に加えて、'14年1月から明治安田生命保険の顧問として年1000万円、合計1500万円の報酬を得ています」(前出・社会部記者) 

 

 つまり、'14年1月から'17年1月まで年間1500万円の報酬を得ていたことになる。野党議員は呆れ顔で「明らかに汚れ役手当」と言い切る。

 

 本誌は予算委出席翌日、嶋貫氏にコメントを求めるため、鎌倉駅から車で10分の住宅街にある自宅を訪ねた。ガレージには磨き込まれた黒色のベンツCクラスワゴン。インターホンを押すと夫人が「主人ですか? しばらくここには帰ってきません」。所在について尋ねても「知りません」とけんもほろろ(後日、再訪するも応答なし)。

 

「ご主人は朝早く出かけて夜遅く帰ってくるみたい。ほとんど見かけたことはありません。いつも仏頂面ですよ(苦笑)。文部科学省の役人だった? そうなんですか。初めて知りました」とは近隣住民による嶋貫氏の印象である。

 

 嶋貫氏が代表理事の一般社団法人「文教フォーラム」に向かった。文科省と密接な関係にある団体から家賃や秘書給与を負担されているにもかかわらず、事務所の電気は消え、新聞受けには数日分の新聞が積まれていた。

 

■斡旋関与が報じられた元事務次官を直撃

 

 この斡旋問題に関しては、予算委翌日の朝日新聞朝刊が「歴代文科4次官、関与か」と衝撃の見出しを打った。この4次
官の関与や、歴代次官の斡旋の指示の有無を「文科省再就職等問題担当室」に聞くと「調査中です」。

 

 4次官の一人、国分正明氏が本誌取材に応じた。

 

――組織的な関与はなかった?

 

「私自身がですか? まったく(ない)ね。昔のことなんでね。だいぶ記憶も定かではないし、間違ったことを言ったり、曖昧なことを言うことによって、いろいろご迷惑をかけるかもしれないので」と国分氏は「自身の組織的関与」は否定したものの、肝心なところは「昔のことなので」と明言を避けた。

 

 予算委で追及した共産党の宮本岳志衆院議員は「文科省はファミリー意識が強く関連団体も多い」と、問題の温床を指摘してこう続ける。

 

「『発覚して切られるのは実働のノンキャリア』という典型例で、嶋貫氏も気の毒な面があるかもしれない。ただし、文科省は脱法的で姑息な天下り斡旋で国民の信頼を大いに裏切りました」

 

 ことは文科省の問題だけではないだろう。各省庁に仲介役は潜んでいるはずだ。

(週刊FLASH 2017年2月28日号)

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