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北京五輪「無理やり開催」の裏で入国日本人が “監禁生活” にSOS…「ご飯は味もにおいもひどい」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.02.03 06:00 最終更新日:2022.02.03 13:47
「あまりにもつらかったです。仕事のためとはいえ、入国したことを後悔しました」
そう本誌に “SOS” を送ってきたのは、つい最近、中国に入国したという日本人ビジネスマンのA氏だ。
世界的な流行を見せる新型コロナウイルスのオミクロン株。デルタ株など、これまで流行した変異株と比べて感染力が高い一方、重症化率が低く、世界各国ではいかに経済を止めずに感染症対策を講じるかが焦点となっている。
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そんななか異彩を放つのが、中国の徹底した “ゼロコロナ政策” だ。
「中国内陸部の陝西省西安市では、昨年12月23日からロックダウンが実施されました。厳しい制限で食糧難に陥る市民が出るほど。1月24日に解除されましたが、コロナへの徹底的な封じ込め作戦は継続中です。どんな手を使ってでも北京五輪を開催させるという、習近平国家主席の強い意志の表われです」(国際部記者)
当然、中国では入国にも厳しい制限が設けられている。前出のA氏が語る。
「そもそもビザ免除措置が停止されているので、膨大な書類を提出してビザを取得する必要があります。さらに、省によって14日間から21日間の完全隔離期間が設けられています。私は14日間でしたが、これが地獄なんですよ」
A氏が訪れたのは貿易の盛んなある大都市だ。空港からして、雰囲気が違ったという。
「日本人は私一人だけ。空港では一歩歩くたびに、防護服を着た職員がその後ろに消毒液をまき散らす。そのせいで床は全部びちょびちょです。私がウイルス扱いでした」
警察官が同乗するバスで指定のホテルへと連れていかれ、隔離生活が始まった。
「エレベーターのボタンにさわることすら許されません。部屋代は1泊240元、3食配られる食費は1日あたり100元。合計340元を2週間分、事前に支払いました」
1元は約18円なので1日6000円ほどだ。
「このクオリティでは、ぼったくりですよ。たいていの場合は3種のおかずとご飯にフルーツのセット。においがひどく、味もマズすぎるのでフルーツぐらいしか食べられません。部屋の外には一歩も出られず、隣室とのモノの貸し借りやネット通販も禁止。公安警察からの通達なので、破れば逮捕されると、コーディネーターに脅されました」
現在は隔離生活を終えたA氏だが「隔離中に疲弊しすぎて、仕事ができない」と嘆く。
現地在住のライター・もがき三太郎氏が解説する。
「中国の社員食堂などでよく出される典型的な庶民のメニューですね。ふつうなら価格は20元程度のもの。明らかに割高です。現在、五輪関係者を除き、中国に入国する外国人は『ウエルカムじゃない』ということです。おなかを壊さなかっただけありがたいと考えるしかないですね」
こうした強硬な “ゼロコロナ政策” に、人民から不満の声は出ていないのだろうか。
「地方役人からすれば、自分が管轄する地域で感染爆発が起きればクビが飛ぶので、苛烈な対策をとらざるを得ません。しかし、実質GDP成長率を低下させるほど “ゼロコロナ政策” は確実に中国経済にダメージを与えています。“メンツ” のために北京五輪を無理やり開催することが、中国にプラスなのかどうか……」
日本の選手団はもう少しマシなご飯を食べられていることを願う。