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六代目山口組・司忍組長の誕生会写真に当局が驚愕した理由…明らかになった「勇退説」一蹴する健在ぶり

社会・政治 投稿日:2022.02.11 06:00FLASH編集部

六代目山口組・司忍組長の誕生会写真に当局が驚愕した理由…明らかになった「勇退説」一蹴する健在ぶり

六代目山口組司忍組長(左)と、高山清司若頭(右)。手前には、誕生日ケーキが置かれている

 

「司忍組長はお酒が入ったせいか赤ら顔で楽しそうにしている。こんな表情の司組長の写真はあまり見たことがない」

 

 そう語るのは、都内在住の暴力団関係者だ。

 

 この日、六代目山口組の司忍組長(80)は、ナンバー2である高山清司若頭(74、「高」は正確には「はしごだか」)と並び、記念写真に収まった。司組長は、白いセーター姿というラフな格好。テーブルには伊勢海老やアワビなどの料理が並び、ケーキが置かれている。司会者とみられる男性や、きらびやかな着物姿の女性らも、祝いの席に華を添えるかのようだ。

 

 

 じつはこの写真は、三重県でおこなわれた司組長の誕生会で撮影されたもの。豪華にも見えるが世知辛い事情が隠されているという。暴力団に詳しいジャーナリストが明かす。

 

「司組長の誕生日1月25日に、六代目山口組は誕生会を兼ねた新年会を毎年開き、直参や他団体の人間も集結する大規模な行事をおこなってきた。ところが新型コロナウイルスの影響で、昨年は開催を見送ったのです。今年も誕生会はおこなわれないのではないか、と噂されましたが、結局、誕生日の前日となる1月24日に会が開かれました。今回集まったのは、執行部10名ほどだけで、直参全員が集まることは見送られました」

 

 連日、新規感染者数が過去最多に上り、各地で感染拡大が進むなかで、どうして今年は開催に踏み切ったのか。

 

「山口組は特定抗争指定暴力団に指定されているため会合を開けないうえに、コロナ禍で、これまでは月に一回おこなわれていた定例会も中止しています。執行部が一堂に会する機会は、いまや非常に貴重なのです。今回は司組長の80歳の誕生日でもあって、組としてはなんとしてもこの会を開きたかったのでしょう。組織の結束はこの数年、なによりも大切な問題ですから……」(同前)

 

 こう語る背景には、山口組分裂による抗争がある。六代目山口組が分裂して神戸山口組が結成されたのは、2015年8月。それ以来、抗争は6年以上に及んでいる。さらに神戸山口組が分裂し、現在は絆會と池田組も分かれ、山口組は4分裂した状態だ。

 

 そんななか、昨年、ある “怪情報” が駆け巡った。

 

「この誕生日で司組長が勇退し、高山若頭が新たに七代目を継承するという噂が出回っていました。組長の交代は組織の最重要事項。そのため警察当局は、司組長の誕生会で何か重大な発表があるのではないかとみていました」(同前)

 

 こうした情報を受けて、司組長の誕生会は、警察も一層の関心を向けていたわけだ。

 

「山口組の中核組織である弘道会の本部がある愛知県や、山口組総本部がある兵庫県、また大阪府や、今回誕生会が開かれた三重県の各警察本部などが、県をまたいで警戒していました。おそらく、今回の会合が開かれることは、当局は事前に把握していたのではないでしょうか。しかし、司組長のラフな服装が表わすように、今年の誕生会は、山口組の正式の会合というよりあくまで私的な会。そうした事情もあり、あえて規制はしなかったのでしょう」(同前)

 

 参加人数も激減し、例年に比べればかなり小規模にまとまったこの定例行事だが、今回掲載した写真には、警察当局も驚愕したという。前出のジャーナリストはこう話す。

 

「司組長の健在ぶりが、この写真によって明らかになりました。結局この会で勇退に関する発表は何もなく、80歳になってもまだまだ組長を続けていく意向が十分感じられます。それまで広まっていた『六代目勇退説』が一蹴されたのです。そもそも、今回の写真がこうして外部に “流出” した背景には、司組長が現役で活躍していることを広く知らしめる目的もあったのではないでしょうか」

 

 しかし、これで六代目山口組の安泰が保証されたわけではなさそうだ。コロナ禍でしのぎを奪われ、神戸側から六代目側に戻ることを決めた組織もいる。冒頭の暴力団関係者は、多くの暴力団が存続の危機に晒されていると明かす。

 

「コロナの影響もあって、しのぎの店は閉じていることも多く、末端の組員らは資金面で苦しんでいる。そんな時期に、トップの司組長が誕生会を開くことをよく思わない組員はいるでしょうね。今、食べていけている組員はほんのひと握りだと言っていい。組員の数がどんどん減り、残った組員も高齢化しているなかで、分裂抗争を続けている場合ですらないかもしれない」

 

 司組長の健在ぶりだけが、組織の安泰を表わしているわけではないのかもしれない。

 

( 週刊FLASH 2022年2月22日号 )

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