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90%が「習近平主席を支持」…在日中国人42人に緊急アンケート「人権弾圧存在する?」「日中の嫌いなところは?」

社会・政治 投稿日:2022.02.18 06:00FLASH編集部

90%が「習近平主席を支持」…在日中国人42人に緊急アンケート「人権弾圧存在する?」「日中の嫌いなところは?」

2月4日、五輪開会式で開会宣言をする習近平国家主席(写真・共同通信)

 

 熱い戦いが日々メディアを賑わせている北京オリンピック。一方で、開幕にあたっては国際的に懸念されている中国国内の人権問題への抗議から、一部の参加国が外交ボイコットをおこなうなど政治的な緊張感をたたえていることもまた事実だ。

 

 開会式で聖火台への最終ランナーをウイグル族のジニゲル・イラムジャン選手(20)が務めたことに対し、“多民族が共生する中国” をアピールするプロパガンダではないかとみる向きもあった。

 

 

 この五輪イヤーに、中国という国をどのように見るべきか。本誌は日本に在住する中国人100人以上にアンケートを実施、42人から回答を得た。「習近平国家主席を支持するか」「新疆ウイグル自治区に人権弾圧は存在すると思うか」などの踏み込んだ内容も含め、彼らの母国観に迫った。

 

 今回のアンケートに関して「これほどさまざまな出身地・老若男女を問わずおこなったアンケートで、批判・称賛を問わず自国への政治的なコメントをする中国人がたくさんいること自体が驚きです。意識の変化を感じます」と語るのは、日本僑報社編集長で、中国にまつわる日本語の書籍を手がけてきた段躍中氏だ。

 

「文化大革命を知る世代は、政治的な発言をすれば嫌な目にあうという警戒心が根強く、たとえ日本という国外にいても政治的なトピックを語ることは禁忌とされていました。

 

 現在では、インターネットなどを通じて外国が身近になり、特に日本はいわゆるACG(アニメ・コミック・ゲームをあらわす中国の略語)の人気もあり、中国人にとって非常に親近感のある存在です。

 

 外国のメディアに多くふれたことで、自由な感覚が醸成されているのでしょう。よくいわれる中国国内のインターネットの検閲も、近年では緩くなってきています」

 

 それでは、アンケートには自国を鋭く批判するコメントが数多く並ぶかと思いきや、「習近平国家主席を支持しますか」という質問に対しては90%が支持、「新疆ウイグル自治区に人権弾圧は存在すると思いますか」という問いに対して「ある」と答えた人はわずか7%に留まった。

 

 日本人が想像する以上に “愛国心” が強いことがうかがえる。また、「中国の嫌いなところはどこですか」という一見政治的とは取れない質問にも、ゼロ回答が目立つ。

 

 2009年から6年間中国に在住し、『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)などの著作があるライターの西谷格氏は語る。

 

「『習近平を支持するか』という質問は、日本人にしてみれば『天皇陛下を支持するか』と聞かれているようなもの。支持も不支持もない、と思いつつ回答した人も多いでしょう。

 

 習近平体制のもと、中国が目覚ましい経済発展を遂げているのは揺るぎない事実なので、成長する社会を肯定するという意味で、特に不満が起きていないのかもしれません。

 

 また、ウイグルについての回答も『全国民にとって必要な犠牲』『ウイグル族を洗脳して(漢民族への)敵意を軟化させないと、第2のシリアになってしまう』など、弾圧的な政策を肯定する回答が大半ですよね。日本でさまざまなニュースにふれても、中国的な価値観は簡単には変わっていないことは興味深いです」

 

 一方、日本と中国での生活に関しては、人間関係のあり方の違いについての回答が目立った。段氏が分析する。

 

「『若い今は日本で経験を積み、老いたら中国に帰りたい』という回答が非常に明示的です。中国は人間同士の強固なコミュニティを作る社会なので、孤独死などはありえない。他方、日本は『人様に迷惑はかけられない』精神で、孤独が社会問題となっていますからね」

 

 語ることはできる、でも批判することはしない、そんな中国人の独特な母国観。西谷氏は「どれほど社会が成熟しても、政府批判はご法度にしておかないと、巨大な国家を維持できないのでしょう。『母親が不美人でも子供は嫌がらない。飼い主が貧乏でも犬は逃げない』と書いている人がいましたが、国家とは自分の親であり飼い主というイメージなのかもしれません」と語る。

 

 日本と中国それぞれが、お互いの母国について、おおいに語り合える日が望まれる。

 

( 週刊FLASH 2022年3月1日号 )

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