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ウクライナ侵攻直前、ロシアがテレビ放送で日本に仕掛けていた “情報戦”…対日攻撃はサイバー戦から始まる!

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.02.28 11:00 最終更新日:2022.02.28 18:10

ウクライナ侵攻直前、ロシアがテレビ放送で日本に仕掛けていた “情報戦”…対日攻撃はサイバー戦から始まる!

2月25日、キエフ市はミサイル攻撃を受けた。地元当局は市民にシェルターに避難するよう促した(写真・アフロ)

 

「外部からの邪魔を試みようとする者は誰であれ、歴史上で類を見ないほど大きな結果に直面するだろう」

 

 ロシアが核兵器を使用することも辞さないとも取れるプーチン大統領のこの発言が世界中を震撼させているが、日本にとって脅威となるのは核だけではない。

 

 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は、ロシアによる日本への “情報戦” がすでにおこなわれていると語る。

 

 

「2月10日に『日本のスパイが北方領土で暗躍している』という内容のドキュメンタリー番組が、ロシア国内で放送されました。

 

 番組では、2019年に共同通信の記者が逮捕された瞬間や、尋問されている様子が報じられました。

 

 また、日本大使館員がロシアの反体制派と会っている場面の隠し撮りや、日本の公安調査庁がスパイ活動をおこなっているという告発もありました」

 

 佐藤氏は、番組が発しているメッセージをこう分析する。

 

「この番組は、2月7日にアメリカのエマニュエル駐日大使が『アメリカは1950年代から北方領土の日本の主権を認めている』と発言したことに対する “返答” でしょう。

 

 アメリカの反ロシア活動に日本が加担するのなら、ロシアが持っている秘密情報で日本がやっていることを全部バラしてやるぞというシグナルです」

 

 さらに、国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、ロシアの対日工作として脅威となるのは、「サイバー攻撃」だという。

 

「いまウクライナでまさにおこなわれている、『DDoS攻撃』というものがあります。これは、サーバーにデータをたくさん送りつけてパソコンの動きを鈍らせる方法です。

 

 ほかにも、『ワイパー』と呼ばれるウイルスを送り込んで、パソコンのデータやシステム自体を消してしまう方法もあります。ウクライナは過去にロシアから何度も攻撃されていますが、実際に電力が停まるなど甚大な被害が出ています」

 

 山田氏は、その脅威がすでに日本に潜んでいる可能性を指摘する。

 

「日本のインフラ施設、金融機関などに、すでに攻撃の “種” を撒いている可能性があります。そうした機関にあらかじめウイルスを埋め込んでいて、いつでも発動できるような状態にしている恐れがあります」

 

 さらに今回のウクライナ侵攻は、ロシアの保有するガスや石油の高騰による影響が日本経済にも及んでいるが、意外なところにも飛び火しているという。

 

「今回のロシア軍の侵攻で、チェルノブイリ原発が占拠された影響で、福島原発の復興作業の遅れが懸念されます」

 

 そう語るのは、国際報道のルポを多く手がける世良光弘氏だ。

 

「2011年の福島原発事故以降、福島原発とチェルノブイリは、密接な関係を保ってきました。すでに東日本大震災から10年以上たちますが、これから数十年かかるといわれる1号機、2号機の燃料棒の取り出し作業はまだ初期段階です。

 

 次のステップに進むためには、まだまだチェルノブイリが持っているデータが必要なのです。今回の占拠を受けて、福島原発の廃炉に向けたスケジュールが、大幅に遅れる可能性があります」(世良氏)

 

( 週刊FLASH 2022年3月15日号 )

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