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元厚生労働省医系技官の宮田俊男医師が訴えるワクチン3回目接種率の低さ「ファイザー待ちが要因に」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.03.05 06:00 最終更新日:2022.03.05 06:00
元厚生労働省医系技官の宮田俊男医師は、東京・渋谷区で地域密着の医院を開業している。臨床の現場でも、感染拡大のピークは越えたと感じるという。
「当院の発熱外来では、週に100人診るのが限界で、それ以上はお断わりせざるを得ません。2月に入ってからずっとそんな状況が続いていました。
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感染者数はまだ異常ですが、コロナ禍初期に多かったワクチン未接種の患者さんが減り、重症化リスクは低くなっています。コロナ規制を全廃したイギリスほどでなくとも、日本も規制を段階的に緩める時期にきていると思います」
規制を緩和するために必須なのが、ワクチンの3回目接種だ。そのためには、諸外国に後れを取る接種率を上げる必要があるという。
「区の個別接種会場である当院でも、予約時に “ファイザー待ち” が生じ、接種が進まない要因になっています。高齢者は、モデルナでも副反応が少ないことがわかってきていますが、風評が広まってしまっている状況です」
自治体によっては、接種券が届かないのも遅れの理由だ。
「接種券の送付が進んでいない横浜市などでは、券なしでワクチンを打てる予約の受け付けを始めました。しかし、接種券番号と実際に予約する人をどう紐づけるかなど、まだ課題は山積みなんです」
2回目接種からの間隔がわからないと、本来は3回目を打つことはできないからだ。
「接種会場である病院は『はたしてこの予約者に打ってもいいのか』『自治体への費用の請求はどうすれば』と混乱している状況です。これでは接種は進みません。
各省庁の担当者はオンライン化を目指して奮闘していますが、まずは自治体が、予約者の接種券番号を接種会場にメールやFAXするだけでもいいんです。
3月中旬には、そのくらい連携が進んでいてほしい。そうなれば、3回目の接種率はうなぎのぼりになるはずです」
みやたとしお
1975年生まれ 東京都出身 早稲田大学理工学部、大阪大学医学部卒業。内閣官房健康・医療戦略室 戦略推進補佐官などを歴任。神奈川県庁顧問、早稲田大学理工学術院教授