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菅義偉氏が “したたかすぎる” 復活を遂げていた!河野太郎氏めぐって麻生氏と争奪戦、“派閥” は70人規模にも
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.03.16 06:00 最終更新日:2022.03.16 06:00
暗いニュースばかりだった “永遠の総理候補” には、久々の明るい話題だった。
3月2日に開かれた、石破茂氏(65)を囲むグループによる勉強会。昨年12月の派閥解散後、グループとして初めて開催した勉強会には茂木派、安倍派、二階派からも数人ずつが集まり、総勢56人が参加する大盛況となった。
「ただ、自民党内での密かな関心事は “菅派” からの出席具合だったんです」
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こう語るのは、全国紙の政治部デスクだ。今年に入って、菅義偉前首相(73)が、自らを囲むグループを “格上げ” して正式に菅派を発足するのでは、と噂がやまない。2月25日に麻生派から佐藤勉前総務会長(69)ら4人が退会して以降、動きはさらに加速。
「今後、菅氏は佐藤氏を自陣営の番頭に起用して “周囲との連携強化” を進めていき、参院選前にはなんらかの組織にしたいようです。
ただ、その集まりが勉強会やグループにとどまるか、正式な派閥になるかは、まだ不透明な状況です。菅氏は次期参院選で自民党が苦戦を強いられると感じており、選挙後の政局の起点を作るのが狙いとみられます」(政治部デスク)
そこで菅氏、佐藤氏が目をつけるのが、石破氏との連携だ。「石破氏の勉強会には、麻生派を退会したばかりの丹羽秀樹氏(49)も参加。これは佐藤氏の差し金です」(同前)と、早くも観測気球をあげた。自民党関係者が話す。
「派閥に固執せず、勉強会という緩やかな集まりにするなら、石破氏だけでなく、参加に意欲的な武田良太氏(53)を入口に二階派の多くの議員も取り込めるだろう。こうした議員の合流を考えると “菅派” は70人規模になり、党内への影響力は計り知れない」
自民党では安倍晋三元首相(67)が率いる「清和会」が最大派閥だが、それに次ぐ規模の組織になるというのだ。
菅氏はたびたび「勉強会」という言葉を強調する。石破氏は冒頭の勉強会後に「派閥からグループに改組したことの意味を理解してくれた方々が、これだけいらっしゃった」と、そのメリットを話した。菅氏に近い議員はこう話す。
「菅さんは、他派閥の議員でも参加できて派閥横断的に “緩やかな連携” を形作れる勉強会形式こそ、今の自民党内で大きな力を発揮できる存在になれるとも考えているんです」
カギを握るのは、昨年の総裁選で菅氏が支持した、麻生派の河野太郎前ワクチン担当相(59)だ。佐藤氏など麻生派退会組からも支持された河野氏は、決選投票で岸田文雄首相(64)に敗れたが、総裁候補としての存在感は示した。
「勉強会であれば、河野氏も麻生派に残ったままでも参加しやすい。昨年は領袖の麻生太郎氏(81)の指示で、岸田首相を推した麻生派ですが、次回の総裁選は河野氏に候補を一本化させる可能性が高いのです。
そうなったとき、以前から一貫して支持してきている菅さんと麻生氏とで、どちらが河野氏の “本当の後ろ盾” になれるのか、という話ですよ」(前出・菅氏に近い議員)
首相在任時から河野氏、小泉進次郎氏(40)との強固な “神奈川ライン” を組んでいた菅氏。さらに、勉強会を通して、前述のとおり石破氏と連携を深め、二階俊博前幹事長(83)の二階派とも再合体を実現させれば、次回総裁選で菅氏はキングメーカーに成り得るというわけだ。
「菅さんが河野氏を完全に囲っておけば、麻生派が河野氏の出身派閥にもかかわらず、総裁選で麻生氏は菅さんたちの勢いに後乗りする形にならざるを得ない。
菅さんは麻生派を “菅派” の別動隊同然にする戦略を描いています。だからこそ、『勉強会でいい』と考えているのでしょう」(同前)
一方で前出の自民党関係者は、菅氏には河野氏という “錦の御旗” がなければ、組織としての力が持たないとみる。
「佐藤氏が麻生派を退会したとき、『自分の立身出世のためだ』と党内で批判の声があったが、菅氏の “子分” たちも大臣などのポストに飢えた4回生、5回生議員たちが多い。
70人規模の勢力を菅氏が持ったとしても、特に目指すものもなく “数の力” で政権に影響力を及ぼし、自分のところの若手議員たちにポストを分配するだけでは、見かけ倒しに終わる。そういう意味でも、まだ総裁を狙える河野氏を取り込んで『派閥』を結成できるかが注目されている」
首相交代でハメられた男は、かなりしたたかになって帰ってきている。