社会・政治
永久ベンチャーを標榜する「DeNA」社内はコミュニケーション不全
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.03.22 06:00 最終更新日:2017.03.22 11:48
医療関連の「WELQ」など10のキュレーションサイト(まとめサイト)で、不正確な記事や盗用記事があり、全サイトを閉鎖したDeNA。
3月13日に公表された第三者委員会による調査報告書では、約2万件の記事と約75万枚の写真に著作権侵害の可能性があるとされた。また10本の記事が法律に違反している可能性があるという。
調査報告書は膨大で、全文で277ページもある。後半の「本問題の原因・背景分析」という章では、なぜこのような問題が起きたのかを検証している。そこでは、たとえば【DeNAの「永久ベンチャー」という理念が独り歩きし、「速ければ易きに流れてもよい」と曲解された】などの指摘もある。
報告書には、キュレーション事業には数多くのコミュニケーション不全があったことが書かれているが、そこに、関係した全ての役職員に対する苦言が記されていた。
本来は提言であるべきものだが、報告書では文字通り「苦言」となっている。ここには組織がダメになる理由が数多く書かれているので、要約して掲載しておこう。
●上司は部下の諫言に耳を貸せ。それがなければ、誰も上司にものを言わなくなる
●イエスマンだけで周囲を固めては何も見えなくなる
●上司の一言は想像以上に部下に大きな影響を与える
●上司が言葉足らずだと、部下は上司の考えを忖度する。忖度が常態化すると、思い違いによる組織の暴走を招く
●上司の考えを忖度する部下は自立的な思考をしなくなり、内向きな議論ばかりするようになる
●上司同士のコミュニケーション不全は、部下同士のコミュニケーション不全を生む。それは、やがて派閥となる
●社内の各部署がお互いにリスペクトしあえば、会社や社会全体の利益を追い求めるようになる
この苦言から判断するに、DeNA社内では、上司が部下と意思疎通することなく、暴走した姿が見て取れる。2月、DeNAは、キュレーションサイト事業をめぐり、38億5900万円の減損損失を計上した。社内の機能不全がもたらした影響は甚大だ。