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終わらぬコロナ禍…20代女性看護師たちが明かす病棟の壮絶現場「ストレスで5kg痩せ、胃潰瘍になったことも」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.04.21 06:00 最終更新日:2022.04.21 06:00
「このまま現場にいると、私とおなかの子の感染リスクが高いので、働き続けるか悩みました。でも最後まで患者さんに寄り添いたいと思い、産休ギリギリまで働き、先月無事出産しました。復帰したら、また “戦う” つもりです」
人類と新型コロナウイルスの戦いが始まってから2年半。いまだ収束の気配は見えず、すでに第7波が到来していると指摘する識者もいる。
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そんななか、常に戦いの最前線に身を置いてきたのが、看護師たちだ。夜間に高熱で運ばれてくる患者を次々と看る……。現場だけが知る最前線の様子を20代の女性看護師たちが語ってくれた。冒頭の言葉は、東海地方の私立病院で、緊急オペを担当したAさんのものだ。
「妊婦のコロナ患者が緊急で運ばれてきて、帝王切開をしたのが印象的でした。コロナ対策として、最小限の人数で腰椎麻酔をおこない、麻酔後は、患者の顔全体を覆うようにビニールシートをかけました。赤ちゃんにはさすがに何もしませんでしたが、感染リスクを抑えるために、できるだけ早く手術室から出しましたね」(Aさん)
新米看護師は、まず防護服を着るところから始まったという。北海道の国立病院で働いていたBさんが語る。
「看護学校を卒業してやっと看護師になれたと思ったら、コロナ禍になりコロナ病棟に配属されました。病院に余裕がないので、動画で研修を受ける毎日。現場勤務が始まると、『アイスを食べたい』と言う患者さんに出会いました。アイスを渡すと『おいしい』と元気そうに食べていたのに、数日後の朝には黒い袋の中でした。
棺に納める際も黒い袋のままなので、本当にこの中にご遺体があるのか……なんて、複雑な気持ちになりました。業務で特につらいのは防護服。ビニール製なのですが、通気性が最悪。陰圧室は空調管理ができないので、汗で白衣の色が変わるほどの暑さのなかで業務をしています」
「特に過酷だったのは2020年夏からの1年半です」と語るのは、愛知県の病院に勤務し、今年から沖縄の石垣島の病院に勤めるCさんだ。
「コロナ患者に対して人員が不足しすぎて、ご飯はもちろん、水分補給やトイレ休憩にすら行く暇もない忙しさでした。体力的な部分に加え、通常の患者さんにバイ菌扱いされるのもメンタル的につらかったです。
たとえば、書類にサインをもらう際、ペンを貸そうとすると、カバンから手袋を出してきたり、少しでもマスクがずれていると嫌な顔をされたり。
私はストレスで5kg痩せて、胃潰瘍にもなりました。このような過労状態では、いつか重大な医療ミスを起こしてしまうと思い、沖縄の小さな病院に移りました」
だが、沖縄にも “第7波” が忍び寄っている。4月14日時点での直近1週間の、人口10万人あたり新規陽性者数は617人で、全国最多だ。
「石垣島の病院は、離島ゆえの物資不足にも悩んでいます。マスクは患者さんに接するごとに替えたいのですが、一日中、使いまわさざるを得ない状況です。これからまた忙しくなりそうですが、仕方ないですね。一人でも多くの患者さんを助けたいです」
苦しい状況のなか、やはり勇気づけられるのは、医療従事者への応援の声だという。コロナ病棟を長く担当し、現在は都内のクリニックに勤務するDさんが語る。
「どこの病院も看護師不足で大変みたいです。コロナ専用の病棟に圧迫され、通常の病棟もベッド数が減ったせいで患者の入れ替わりが激しく、業務量が増えていますからね。派遣の看護師を募集する高額な求人も増えています。
お金も大事ですが、応援の声がありがたいです。防護服のタグにメーカーの方がわざわざ応援メッセージをつけてくれたときは感動しました。少しでも感染者を減らせるように、みんなで頑張りましょう」
第7波に向け、彼女たちは前を向く。