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坂本龍馬「暗殺5日前」に記した「新国家」への思い!

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.03.30 17:00 最終更新日:2017.03.30 17:00

坂本龍馬「暗殺5日前」に記した「新国家」への思い!

『写真提供・高知県 』

 

 '17年1月、幕末の英雄・坂本龍馬が暗殺されるわずか5日前の手紙が発見された。福井藩の重臣、中根雪江に宛てられた手紙は、福井藩士・三岡八郎(由利公正)を新政府の財政担当にするよう頼んだもの。

 

 三岡はのちに「五箇条の御誓文」の草案を考えた人物だ。注目は「新国家」という言葉。ほかの手紙には書かれておらず、龍馬の新政府に対する心意気を表わしたものといえよう。

 

 自作に龍馬を登場させたこともある漫画家・弘兼憲史氏(69)は、今回の発見をこう語った。

 

「龍馬はきっと、仲間たちと飲みながら天下国家を論じていたのでしょう。『新国家』も、そんなときに思いついた言葉のはず。誰からもかわいがられる人たらしで、亀山社中という商社を作るような財界人でもありました。

 

 もし、龍馬が暗殺されなかったら、政治ではなく実業に進んでいたでしょう。彼は現在にあてはめれば、先見の明がある孫正義さんのようなビジネスマンになっていたんじゃないでしょうか」

 

 弘兼氏が例に挙げた孫正義氏といえば、熱烈な龍馬ファンとして有名だ。そんな孫氏が率いるソフトバンクに、新卒で入社したのが郷士坂本家の10代目・坂本匡弘氏(51)である。

 

「まったくの偶然なんです。子供のころから『龍馬の子孫だ』と言っても信じてもらえないですから、当時は孫さんにお会いしても伝えませんでした(笑)」

 

 今回発見された手紙にも縁があった。

 

「没後150年の節目に新しい手紙が見つかったのはたんなる偶然ではない。不思議なことに、手紙が発見される数日前、三岡八郎の子孫の方とお会いしていたんです」

 

 手紙は3月4日から龍馬の地元・高知で公開されている。
 以下に、この手紙の全文を書いておこう。

 

【現代語訳】
一筆啓上差し上げます。
このたび越前の春嶽侯がご上京になられたことは
千万の兵を得たような心持ちでございます。
中根雪江先生にも諸事
ご尽力くださったこととお察し申し上げます。
しかしながら先ごろ直接申し上げて起きました
三岡八郎兄のご上京、ご出仕の一件は
急を要することと思っておりますので
何卒早々に越前藩のご裁可が下りますよう
願いたてまつります。
三岡兄のご上京が一日先になったならば
新国家のご家計(財政)のご成立が一日先になってしまうと考えられます。
ただ、ここのところにひたすらご尽力をお願いいたします。
誠に恐れながら謹んで申し上げます。

 

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十一月十日     龍馬 

中根先生
 
       左右
追白 今日、永井玄蕃頭(永井尚志)方へ
訪ねていったのですがご面会は叶いませんでした。
(永井殿と)談じたい天下の議論が数々ありますので
明日また訪ねたいと考えているところですので
大兄も御同行が叶いますならば
実に大幸に存じます。 
 
          再拝

 

※手紙は「志国高知幕末維新博」(3月4日~ 5月7日)のメイン会場(高知城歴史博物館)にて公開中

(週刊FLASH 2017年2月21日号)

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