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国会でもあった「シャブ漬け」騒動…前原誠司国交相(当時)が“破綻”日本航空を「シャブ漬けのどら息子」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.04.22 18:22 最終更新日:2022.04.22 18:43
牛丼チェーン大手「吉野家」の常務取締役企画本部長である伊東正明氏による、「生娘シャブ漬け」発言が、いまだ物議を醸している。
ことの発端は、早稲田大学の社会人向け講座を受講した人によるFacebookでの告発だった。
《講師の吉野家の常務取締役企画本部長の方が、講義で性差別・人権侵害発言を連発。若い女性を狙ったマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」と笑いながら何度も発言。「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」だそう》
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伊東氏は4月18日付で、親会社の吉野家ホールディングスから解任された。吉野家HDの執行役員もつとめていたが、こちらも同時に解任されている。
「この発言を受けて、ネットでは不買運動が展開されるなど、大炎上。マーケティングを専門とする人たちからも《“シャブ漬け” なんて言葉がマーケ界隈でまかり通っていると思われては困る》と非難轟々でした。
ただ、“シャブ漬け” という言葉が用いられたシーンはこれまでにもありました。思い出されるのが、2010年4月、日本航空再建をめぐる前原誠司氏の国会での発言です」(全国紙記者)
時は民主党政権、第174回国会。国土交通委員会でこんなやりとりがあったーー。
同年1月、日本航空(JAL)は2兆3000億円という負債を抱え、会社更生法の適用を申請し、事実上破綻。日本政府は、経済への悪影響を食い止めるため、公的資金を投じて再生に動こうとしていた。このとき、これまで経営にあぐらをかいてきたJALに対し、三ッ矢憲生議員が痛烈な批判をおこなった。
「(前略)それから、日本航空というのは、私に言わせると、薬物中毒のどら息子みたいなものですよ。生活に困りましたといって、じゃ、生活費の支援をしてあげましょうと。それから、乗っている車も、古い大型のガソリンがぶ飲みの車だから、これはかわいそうだ、新しい省エネ型の車に買いかえてあげましょうと。
今度こそ更生するんだ、立ち直るんだといって、場合によってはガソリン代とか駐車場の料金までまけてやろうか、こんなことをやっているのと同じですよ、これは。
しかし、こんなどら息子が更生した例というのは一つもないですよ。本当にそうだと思いますよ。全くそのとおりのことをやろうとしているんです」
その後も、なぜ公的資金を投じてJALを再生しなければならないのか、という追及が続くなかで、前原氏はこう強く語った。
「これは控えようと思ったんですが、どら息子とおっしゃいましたね。それはだれがどら息子にしたんですかと私は申し上げたいです。シャブ漬けの息子とおっしゃいましたね。だれがシャブ漬けにしたんだと。それを私はあえてここでは申し上げておきたいと思います」
「前原氏は、JALは先の自民党政権時代から経営にあぐらをかき、危機的状況にあったのだ、ということを示したかったのでしょう。経済的に自立できず、他者に頼らざるをえない状況に陥っている状況のたとえとして “シャブ漬け” という言葉が用いられたわけです」(前出・全国紙記者)
前原氏とは違い、伊東氏の発言は自社商品を “シャブ” と呼んだようなもの。その “戦略” は失敗に終わったようだ。
( SmartFLASH )